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【第1部】 WEBマーケティングで顧客情報を徹底活用 ~データの力を活かそう~


世界的潮流として社会システムのデジタル化がダイナミックに進展しており、ビッグデータ時代が本格的に到来しています。第四次産業革命とのとらまえかたもあり、企業は15年以内にデジタル化に対応しないと淘汰されると言われています。
企業にはウェブ上で物販や予約販売などの事業基盤を構築するに加え、収益を獲得増大させるために、顧客データを活用したマーケティングが必要不可欠です。今回は、クイックにウェブマーケティングを行う意義とデータの持つ力についてセミナーを行います。

株式会社ディージーワン

代表取締役社長 松永浩徳

総務省にて通信行政に携わった後、外資系コンサルティングファーム、スマートシティ企画株式会社を経て、ベネフィット・ワンにてシステム部長を担う。ベネフィット・ワンにてディージーワン設立に参画。行政、戦略アライアンス、組織変革、新規事業立ち上げの領域での経験を活かし、クラウドベースソリューションを活用した中小企業活性化や地方創生での成果創出をめざしている。


|中小企業が新しい道を切り開くためのソリューションになるために

 私は、一番初めに役所からキャリアスタートし、総務省で情報通信の技官をやっておりました。7年半程従事した後、ちょっとビジネスをやりたいと思い、外資のコンサルに2年ぐらいいて、色々なプロジェクトを経験しました。

もともと技術系で、土木工学を勉強し、インフラなどが好きだったので、日本の技術を集めて世界で街をつくっていこうというプロジェクトに入って、4年半ぐらいやりました。やはり街で色々な人の生活がある中で、サービスを使うと人の生活が豊かになると、そういった考えた方がありました。そういうのをもうちょっと専門的にやりたいと思い、まさにそれをやっているベネフィット・ワンに入社しました。今、実は、ベネフィット・ワンのシステム開発部長も兼務しております。

昨年、DG1が立ち上がったときに、社長もさせていただきましたが、ちょうどその1年前に、このソリューションを開発している会社の、スロベニアの方が日本に来た際にディスカッションして、いいソリューションがあると。中小企業の方の新しい道を切り開くソリューションだと思って、一緒に交渉とかやっている過程で、今の役割を頂いているところです。

今日はマーケテイングの話がメインですが、そもそもはこういったソリューションを使うことが、新規事業ですとか、中小企業の皆さまにとって非常に意義あることだと思っています。ですので、そういったことについても、また別の機会でもいろいろお話をさせていただきたいと思います。


|資産を活用し、現在の事業を醸成していく

本論に入らせていただきます。まず、マーケテイングの話と言いつつ、自社と事業の資産を振り返る、といったテーマで話をさせていただきます。皆さん、ソリューションを使って何かをやるときに、今ある事業を大きくするとか、新しい事業をやるとか、事業に関わることをやると考えていると思います。そうした時に、全く何もないところからやるのではなくて、今あるお客さまの基盤や研究開発のチームがいる、ものすごく強い商品があるからお客さまがいる、新しいものを作ってもそこで売れるんじゃないか、後は、ある意味、土地があるからマンションを建てるとか、今ある自分が持っている資産を活用して事業をやられることを考えていると思います。その中には有形もあれば無形もあります。

この中で、顧客基盤。すでにビジネスをやられている方や新規事業でもそうですけれど、今ある、ビジネスにおける付き合いがある基盤というものが、事業資産として価値があると考えています。これをどういう風に使っていくかということについてお話ししたいと思います。ここを使って既存の事業の維持拡大とか、新しいものをつくっていきましょう、という話に繋がっていきます。


|顧客基盤が自社の事業価値を決める

顧客基盤というキーワードは、多分、よく聞かれると思います。

パッと思い浮かぶのが自社商品やサービスを取りあえずどんどん使ってくれるというイメージがあると思います。ただ、そういった方から、もう少し深く解釈していくと、やはりそういったお客さまがいるからこそ、自分がやっている事業の価値があるとか、何か新しいことができる強みにもなり、継続的な付き合いになると思います。

そういったお客さまがいるからこそ、新しい成長の仕組みをつくれます。単純に買ってくれる、使ってくれるというお客さまより、ある意味、本当に自分の事業の存在価値ぐらいに考えていただくのがいいんじゃないかと思っております。企業の業績をみなす基礎となる、本当に厚い信頼のもとに成り立つものです。


そういった顧客基盤というところに関わってくるような考え方ですけれど、パレートの法則というのがあります。結構、雑誌やビジネス本に載っています。これは、2割の原因が8割の結果を生み出すといったもので、必ずしも2割、8割という関係でもないんですが、ある理由や原因・要因が、その要因の割合よりも大きな結果をもたらす、といったところがあります。

例えば、今、ビジネスをやっている中で、うちは1,000人ぐらい顧客がいますが、実はそのうちの上位20パーセント、200人ぐらいが大体買ってくれているんです。とかです。今、商品が100種類ありますが、その中の20パーセントぐらいの商品で、売り上げの80パーセントをつくっている。とかですね。こういった割合、パターンがよくあるといったことを、ちょっと覚えていただきたいと思います。上位20~30パーセントの優良顧客、顧客基盤って結構ココと重なってくると思います。売り上げを確実に維持と向上することは、極めて重要です。


|顧客基盤を最適化し、伸張を図る

実は、背反するような見方ですけど、ロングテール論というものもあります。普通に考えると、店舗でお店に商品在庫を置いて売り続けるには、やはりコストがかかります。特に、土地が高いところや人件費が高いならなおさらです。

ただ、コスト的に見ると、コストの割にはあまり売り上げ貢献しない部分はロングテールがありますが、ネットビジネスです。管理コスト、結構下げられますので、ものによっては非常にビジネスに貢献するところがあります。ですので、こういった、必ずしも売り上げが高くないものの中でも、非常にビジネスに貢献するものがあるはずなので、そういったものをしっかり見極めて、うまく伸ばしていきましょうといった考え方があります。

ですから、売り上げ増のために、顧客基盤を2つの方針で活性化は、ある意味、両方になっちゃうんですが、既存の上位のユーザーに、パレートの最適が本当に重要なお客さんのところは関係を向上させ、よりたくさん回転率を高めたり、売り上げの回数を増やしたり、1回の売り上げで買ってくれる価値やボリュームを高める取り組みをしていくということです。

顧客の特徴ですが、一般的に新規顧客の獲得は維持コストの4~5倍です。とにかく、新規顧客獲得したいことは大事ですけれど、それと同等に、この顧客基盤を徹底的に事業にプラスということも大事です。


|顧客を個別に認識して、異なるアプローチを行うマーケティング

では、どういう風にやっていくのか、まず、顧客管理型マーケティングで顧客情報をリッチにしようということです。顧客管理型マーケティングとは何か?これは、パーソナライズマーケティングとか、1 to 1マーケティングとも言います。実は、全く新しいものではなくて、ずっと昔からやっているものです。

例えば、デパートや老舗のお菓子屋さんとか、お客さんの台帳を紙のリストで管理して、時期がきたら電話したり、DMを送ったりしていました。それが、ITツールが段々出来てきて、自動車とかマンションとか高額商品だったら元が採れるということで、ツールを使ってメールを送ったり、システムを使ってDMを送ったりしていました。

取りあえず、個人個人をしっかりと認識して、個人個人に合ったアプローチのマーケティングになります。

多分、これまでのお客様の台帳があると思います。それはもう顧客の情報で、顧客基盤の情報になります。名前、住所、年齢、いつ何を買った。ただ、それだけだと、やはり情報が少なくて、こういった情報を、ウェブマーケティングツールに入れて、リストにあるお客さまに、色々な形でメールを送ったり、SMSを送ったり、やはりメールが非常にやりやすいです。メールのタイトルを変えたり、送る時間を変えたり、キャンペーンの名前を変えたりすると、メールを開ける開けないとか、そういった内容も含めて、だんだん各々の顧客の情報が肉付けされていってリッチになっていきます。それを用いて、より自社のビジネスを伸ばすような施策を打っていくことができます。


こういったツールがあると、漏れなく継続的に管理できます。電話と名簿と言うと大変なので、ツールを使ってやると効率的にできます。しかも、効率的なので継続することもできます。

あと、顧客のウェブの閲覧状況や開封状況から、関心情報を把握できます。送って、開いたら何だかんだいってちょっと興味を持ってくれたんじゃないか、このタイトルは刺さったんじゃないかとか分かると思いますし、1回目で駄目でも2回目送ったらどうだ、3回目送ったらどうだと、そういったことも分かることができます。こういったツールで、結構お客さんとのコミュニケーションを取りやすいので、検討状況も把握することができます。


|顧客情報を的確に把握する

実はお客さんがどういう反応を示したかとか、ウェブでどういうアクティビティをしているかという情報があります。行動で言うならば、例えばウェブサイトに来ましたかとか、送ったメールを開きましたかって、ちょっとざっくりとした分かりやすい情報ですね。関心って言うと、より、どこから入ってどこのページでどれぐらいいたかとか、より細かな情報になります。これで得られる情報は、使うツールによっていろいろと異なっていきます。

情報ってたくさんある方がいいんじゃないかと、とにかくあの情報、こんな情報も欲しいと思われると思います。ただ、ビジネスなので、使って成果を出してどうなんだというところがあると思っています。

こういった、属性と行動と関心と分けました。使いやすい情報を使いづらいというか、なかなか、どうやって使って成果を出していいのか難易度が高い情報があるというふうに、2つに分けています。難易度が低いのと高いのです。取りあえず、パッと聞いてイメージが湧くようなデータはやはり使いやすいです。あと、そんなに極端に情報の鮮度が新しくなくてもいいデータです。


|顧客へのアプローチ プロセスの細分化

データの中身の話をしましたが、そういったデータを用いてビジネスに生かしていく、顧客情報を活用していくにはどうしたらいいのか。

実際にウェブだけでやっているビジネス、店舗を持ってウェブもやっていることもあると思います。どこか1カ所でやって終わりではなく、時間的な継続もそうですし、また、プロセスにおいても、いろいろなところのプロセスにおいて、ずっとうまくお客さまとの関係値を作っていきながら、とにかく全体を生かして、顧客関係を強化していく考え方が大事だと思います。

そういった、ツールを使って顧客情報を生かして、そういったプロセスにおける場を使って、取りあえずやってみませんかと、クイックウェブマーケテイングを勧めるといったことがあります。やはり、マーケテイングは昔からやられていますが、1 to 1マーケティングというものが結構メジャーで、普通になってきています。うまくやっているところとやっていないところは、やはり差が出てしまいますね。取りあえず、大きな流れにはしっかりと乗りましょうという感じで、まずクイックをやっていただきたいというのがあります。

いろいろなツールがありますが、特に費用とか経験値のことを考えると、いきなり投資して難しいことよりも、ある程度分かりやすいところでエッセンスを押さえてやっていただくことが大事だと思っています。そういった意味で、扱いやすい情報でいろいろなチャネル、メールやSNS、場合によっては電話をかけてちょっとインパクトをつけてもいいですし、DMを送るのも有効だと思います。

お客さまを動かさないと、意思決定とか何らかのアクションを起こすためには、お得ですよとか、割引ありますとか、おまけがありますとか、何らかのキャンペーンをつけて、それを分かりやすいメッセージで送ります。ですので、コミュニケーションの方法とキャンペーンとメッセージと、これをいろいろなかたちで、トライアンドエラーで何かしらの成功パターンを見つけるということです。

そういう方法で、これはもう少し細かいプロセスで、こういうふうにお客さんを広げて、今あるお客さんを生かしていこうという何らかの考え方を持って、まずは送ってトライアルしてみて、1回はサイトに来てもらい、より購買のところで回転率を高めるような話をして動かしていくことができると思います。


|プロモーション、価格設定…売上伸張の要は

そうした時、どうやって売り上げを伸ばしていったらいいのか?

まず、来てもらわないと話にならないので、来ていただいた方の中で、どれぐらいの方が実際に決済してくれるのか、買ってくれるのか、申し込んでくれるのかという率があります。その中で、じゃあ、そういった各々の方々が、どれぐらいの単価のもの、より高い単価で、より複数回とか頻繁に買ってくれるかというところの掛け算になると思います。

これを増やすにはどうしたらいいかというと、一番いいのは、流入は流入経路みたいなものがあると思いますので、これは顧客管理のところもありますし、Facebookなど、いろいろうまく流入するような話になると思います。ただ、既存顧客なので、ここは工夫の余地があるんじゃないかなと思います。

あと、プロモーションですね。やはり、見てくれるんだけれど買ってくれない人を後押しするなどのプロモーションを打ちます。世の中を見ると、本当にプロモーションだらけです。そういうのを、ちょっとこういった視点で見ると良いかもしれません。そういう視点で見ると、多分、ヒントが見つかるんじゃないかなと思います。

次に、プロモーションをやっても、そもそもいらないものだったら買わないので、どういったところでニーズがあるか、価格帯など、勝ちパターンを見つけないといけないです。ここを伸ばすためには、ここのプロモーションや商品、価格帯の勝ちパターンを見つけないといけません。


|試行錯誤で勝ちパターンを見極める

勝ちパターンとは何か?

勝ちパターンの構成要素は、情報の表現やタイミングがあります。よく見てくれる、買ってくれるタイミングですね。お腹が空いていないときに食べ物を見せても、あまり欲しいとは思わないですが、お腹が空いていたら食べたくなるようなイメージです。

いつ、どういったところをターゲットにするか?どういった商品やサービスだったら売れるか?皆さんも普通「このタイミングでこうやったら売れるよね」という様なレベルの話です。

じゃあ、どういうふうに特定していくかです。

さっきのクイックなやり方で、タイトルやコンテンツメールを送ったら開いた、日曜日の夜・この層だったら売れるというものです。結局、こういった商品を誰々にこの時間で、こんなことをやったら売れるなど、試行錯誤になると思います。ここを繰り返すことによって、段々勝ちパターンになり、効果が出てきて売りにつながるという考え方です。


|勝ちパターンのテンプレートを利活用する

実際の物が本当に素晴らしくても、写真がぼやけていたり、ちょっとアピールポイントが不十分だと、刺さらない。もう少しで買うんだけれど買わない、そういうことは、人なのであると思います。ここは重要だと思うんですけれど、いろいろな考え方があると思っています。トレンドもありますし、ある意味、難しいと思います。ですので、ここは成功パターンのテンプレートを使って、ある程度の勝ちパターンの枠組みみたいなものをうまく使って、コンテンツで文章に工夫をするのが一番いいのではないかと思っています。トラフィックについては、こういった勝ちパターンのテンプレートを使うのがいいんじゃないかと思います。


|ローソンの事例「リピート重視」の事業戦略

まず、ローソンが「ほろにがショコラブラン」っていうパンを売っています。それを販売し続ける理由ですが、名称が少し変わって、今は「ブランのほろにがショコラパン・ホイップクリーム入り」と、ちょっと難しくなっていますが同じ商品です。

背景として、コンビニはデータを徹底活用するというのは、セブンイレブンで有名です。ローソンもPontaを導入しました。Pontaを導入して、POSデータの情報からいろいろと見えてきました。ほろにがショコラブランは、実は売れ筋ではないです。パンの中でも売り上げ31位らしいです。ただし、一部の女性が繰り返し購入している、つまり、1割のヘビーユーザーが6割の売り上げを占めるという、先ほどのパレートの最適みたいな話です。とにかく、ヘビーユーザーがいるといったことが分かりました。

ローソンの事業戦略は、リピート率を非常に重視しています。ですので、じゃあ、このパンは売れ筋じゃないですけれど、こういったものが戦略なので売り続けましょうといった事例です。こういった、事業でも意思決定がありました、というのが1つです。


|伊藤久右エ門 老舗がイノベーションできた販促キャンペーン

次が、伊藤久右衛門、老舗茶屋が既存顧客への販促を強化した理由です。ここはお茶屋さんです。先見の明があったのか、ネット上で、多分、早くから抹茶のスイーツを売っていたんですね。ただ、売れて、いいなっていうと、当然競合が出てきて、販売競争が激しくなって売り上げが伸び悩んでいました。伸び悩んでいるということは、何かをやらなきゃならないですねという話になりました。そこで、データを分析しました。既存顧客の大半が、まず、30~40代の女性と分かりました。ギフトとしての購入が増えています。そして、やはり受取人は男性が多いということが分かりました。

ここが分かったので、まずは男性が喜ぶ商品を作りましょうということで、お茶屋さんが酒造メーカーと商品開発をします。何となく男性っぽい感じですが、こういった施策を決めました。作った後、テスト販売したら、顧客の7割が既存顧客だったらしいんです。しかし、3割が新規なので結構多いなと思いましたが、取りあえず既存顧客への販促を徹底的にしました。この手法も、メールを送る、DMを送る、カタログを送る、ことをやりました。

何も分からないでこういうことをやれば、お金がかかるのでちょっとためらうかもしれませんが、こういったデータがあれば、ここのアクションは非常に合理的だということが分かりますので、しっかりと施策に結びつきました。


|レンタルビデオGEO アプリをリニューアルしてUX UIの向上

最後は、レンタルビデオのGEOです。アプリをリニューアルした理由です。リニューアルしたこのアプリの中には、新機能で、取りあえず、使ってもらっている会員の利便性を高めることや、検索やお気に入り登録とか、多分、お客さまにとって非常に便利です。その理由としては、1人1人のデータを収集して、趣味嗜好の把握が可能なことです。これはタダですが、絶対、企業はタダではお金は出さない理由があります。

会社の方は、こういったかたちで得たデータを、趣味別、売り上げ貢献別にセグメントします。ここのセグメントというキーワードは、よくお聞きになると思います。お客さまをいろいろな切り口、年齢、趣味別と売り上げ貢献別に分けました。趣味に応じて、クーポンやメールを送ります。もしかしたら年齢や住んでいるところなど、いろいろあるかもしれませんが、そういったことに応じてではなく、趣味に着眼してクーポンを送りました。また、情報があるので、それについてリコメンドを実施しました。こういったアクションの事例がございます。


(会場から拍手)

株式会社ディージーワン  社長 松永浩徳
株式会社ディージーワン 社長 松永浩徳

総務省にて通信行政に携わった後、外資系コンサルティングファーム、スマートシティ企画株式会社を経て、ベネフィット・ワンにてシステム部長を担う。ベネフィット・ワンにてディージーワン設立に参画。行政、戦略アライアンス、組織変革、新規事業立ち上げの領域での経験を活かし、クラウドベースソリューションを活用した中小企業活性化や地方創生での成果創出をめざしている。