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物流受難時代のリピート出荷戦略 ~分散出荷による送料削減と、出荷自動化~

株式会社ブレインウェーブ

取締役 水井史朗


データセンター事業会社の執行役員を経て、2004年ブレインウェーブ入社。

2008年、物流プラットフォーム『はぴロジ』を立ち上げ、事業責任者に着任。

事業理念は、「流通が変われば、世界が変わる」



目次[非表示]

  1. 1.物流をテクノロジーで革新する株式会社ブレインンフェーブ
  2. 2.EC業界の発展の影響を受けた物流業界
  3. 3.複数モール出店時のデータ処理の煩雑さ
  4. 4.バックヤード処理を自動・最適化クラウド型流通プラットホーム「はぴロジ」
  5. 5.国内外の拠点の状況を可視化。現場は端末でステータスを容易に確認できる
  6. 6.ショップ・上位システムのデータ紐づけを自動化
  7. 7.脱属人的な機能で業務効率化を図れる
  8. 8.「はぴロジ」でバックヤード業務を最小化しリソースを最適化できる

物流をテクノロジーで革新する株式会社ブレインンフェーブ

株式会社ブレインウェーブの水井と申します。よろしくお願いします。

株式会社ブレインウェーブは23期目を迎え、大阪、東京、福岡の3拠点で運営を行っています。弊社のサービス「はぴロジ」とは何か。シンプルに言いますと今までなかなか変わらなかったアナログ文化である物流にテクノロジーを流し込み、手軽にロジスティクスをコントロールすることができるようにするという領域で行っている事業です。


EC業界の発展の影響を受けた物流業界


まずは、物流業界でどのような変化が起きてきたのか、あるいは起きているのかについて、2点取り上げます。一つは、やはりeコマースの業界で激震が走っている最たるものは配送の世界です。少し前までは、距離に送料が比例せず、遠くまで送っても同じ料金で送ることできた時代が長らく続きました。しかし今は、皆さまご承知のとおり、距離に応じて送料がだんだん上がっていきますよね。むしろ健全な状態に戻ってきたのだと思っています。これは言い換えればこのような送料体系になります。皆さまご承知のとおり、地帯別に料金が設定されており、発信点から遠くなるほどに第1、第2、第3という区分けがされていますよね。先ほど申し上げたように、こちらはあくまでもサンプルになりますが、昔は、第1から第3まで一律料金であった時代が長く続きました。今は、500円、600円、700円と、遠くなればなるほど高くなります。結果としてEC事業者さんを大きな変化に巻き込んでいる状況ですね。


もう一つが倉庫です。言うまでもなく、出荷を扱うのは倉庫ですね。もちろん自社で行っているところもありますが、倉庫の作業環境は大いに変わりました。ひと昔前までは、ECがそれほど浸透していなかったので、作業が主に大きな箱を大量に扱うことに終始していて、やりとりは主に伝票で行われてきました。これがeコマースに移り、お客さまの個人宅に小さな箱単位で細かい作業をして送る個配になり、その指示のやりとりが主にデータに置き換わってきました。お分かりのとおり、倉庫の人たちはアルバイトの方がメインですよね。ITの専門訓練を受けた方ではなく、その点で、今、倉庫はパソコン操作に非常に苦労していることに、私たちのサービスの原点があります。私たちは倉庫をいかに楽にするか、これがeコマースを盛り上げていく一つ重要な要だと位置付けており、そのお手伝いを行います。


複数モール出店時のデータ処理の煩雑さ

こちらではデータ加工の面倒さを幾つか取り上げています。皆さまのお店も複数展開しているところがたくさんあると思います。こちらで挙げているのは、あるショップのCSVのデータの中身です。いわゆる受注データだと思ってください。ショップ1では、赤色のペンを売ったとします。こちらは「品番001R01」、レッドの赤と読み替えていただければと思います。かつ封入物として、チラシセットのAというデータを、ネットショップ支援室さんのカートを含めて、上位のシステムできれいにコントロールされているところは、出荷指示情報、受注データの中に埋め込まれているケースがあると思います。ショップ2のケースは、楽天ではよくありましたが、Amazonと違い楽天の商品は品番単位で表示される上で、赤などサイズ別の情報を別の品番にしてしまうと、似たような商品であふれかえることが多々ありました。結果として、一つの品番、こちらでいいますと001を登録して、商品の後ろにR01のように、いわゆるカラーバリエーションの情報を埋め込むようなケースがありました。一つの例になりますが、購入者が姓名で分かれており、電話番号もしかりショップが違えばデータの構造が全て変わることがよくあります。

一方で封入物に関しての例としては、別のシステムから出力した、あるいは手書きで作ったCSV、あるいはExcel情報が添付されます。ショップさん固有の話ではありませんが、備考欄に宅配BOXに入れてほしいというメッセージが書き込まれます。このような雑多なレイアウトの違うデータ群を、主にメールで送られるケースが多々あります。こちらを受け取る倉庫側、あるいは物流チームは、Excel、あるいはマクロを使い、日々苦労してデータの加工業務をしています。結果として、メールの誤送信による情報漏えい、あるいは作業ミス、このようなことが日々多発していると思っています。このような課題を解決するのが「はぴロジ」です。


バックヤード処理を自動・最適化クラウド型流通プラットホーム「はぴロジ」

「はぴロジ」の説明概略は、クラウド型の流通プラットホームを作っています。10年となっていますが、正式には11年数えるに至ります。私たちのセンター数は、約40拠点になります。「はぴロジ」は三つのアプローチをコンセプトに掲げています。一つが倉庫のネットワーク化です。例えばサーバーの世界をイメージしていただくと分かりやすいかもしれませんが、かつてサーバーは物理的に1台ずつ個別に契約を行う世界でした。ただ10年程度の年月を経て、今日ではAmazonに代表されるようにクラウドの環境に完全に移行しています。私たちも倉庫、あるいは物流においてクラウド化を進めており、全国の倉庫をネットワーク化しています。このようなことにより、日本はもとより海外を飛び越えて世界中に物を送ることのできる環境を作ろうという試みですね。2点目が、先ほど説明しましたデータを加工する業務を自動化することです。こちらによりバックヤードの自動化を大きなコンセプトと位置付けています。最後に分散出荷による配送最適という三つのコンセプトで行っています。


国内外の拠点の状況を可視化。現場は端末でステータスを容易に確認できる

まずプラットホームの説明になります。どのようなロジックで行っているかというと、私たちの中央システムとして「ASIMS」があります。全ての物流情報をコントロールするコアシステムがあり、この配下に、全国40拠点、海外に1拠点、各拠点のシステムとネットワーク的に接続されています。ASIMSで全ての情報を可視化しています。ASIMSから各センターにデータを変換して送ることを行っています。加えて今回パートナーとして一緒に登壇いただいているECの関連サービス、関連システム、ショッピングカート、あるいは受注管理のシステム、あるいは宅配、これらのサービスとも連携しており、CSV、APIという動的な仕組みを通じ、データをスムーズに受け渡し交換することができます。かつラストワンマイルのところ、今となってはヤマトさんも自社のみでは賄いきれないところに至っていますので支障はないかと思います。いわゆる配送の第3極として、独自のチャーター便、あるいは越境の海外へ物を送る手段、これらの新しいデリバリーというソリューションの提携あるいは開発を行い、増やす取り組みを行っています。結果として受注データをシームレスに倉庫へ受け渡し、データの加工の手間を最小化していく取り組みを行っています。実際のASIMSの画面は一部開発中もあり、画面のレイアウトが変わっていますが、スマートフォン、タブレットにも対応しています。倉庫の実務担当者がタブレットを使い操作しているケースもあれば、荷主事業者、EC事業者側のマネージャーが今の物流業務を把握するという意味で、スマートフォン、あるいはタブレットで閲覧するケースもあります。

ASIMSには細かい機能がたくさんありますので、いくつかご説明します。インターフェースとしては、重要事項のアラート、複数のセンターの一括管理を行い、各センターでどのような出荷業務が行われているかについて、履歴を含めて一元管理されています。登録された出荷情報は、ステータス別に仕分けされ、閲覧することができます。かつステータスを追いかけることができる流れになります。

ショップ・上位システムのデータ紐づけを自動化

特徴的な自動化をつかさどる機能の一つで、データマッピングという機能があります。先ほど例として挙げましたが、ショップ、上位システムごとにデータの仕組み、レイアウトが違い、それらの加工を人手で行う、あるいはシステムを独自に組んでいるケースももちろんあると思います。この制御は結構手間がかかり面倒ですが、ASIMSはこちらを簡単に画面上で、ひも付けの設定を行うことができます。画面を見たとき、左側がショップ側の受注情報の項目の一つです。右側が物流へ渡す項目ですね。これらをマッピング、相互にひも付けるところに加え、動的に変換する操作をプルダウンから選ぶことができます。要するに、プリセットされていますので、よくある例であれば、足す、引く、割るなど四則演算的なところに始まり、特殊なケースでいえば、指定した文字を後ろから何文字引っ張る、特定の文字列を消す、全角を半角、あるいはその逆、おおよそ日々の運用上必要な行為を選択することができます。これは初めにセットアップを行えば、以降はファイルを入れるのみで自動的に変換されます。


脱属人的な機能で業務効率化を図れる

二つ目がフィルターアクション機能で、任意の条件で同梱制御を自動化する仕組みです。何となくイメージがつくとは思いますが、トリガーとアクションという機能で成立しています。この条件にマッチすればこのようになるという内容ですね。ここにも挙がっていますが、対象と条件です。よくある例は、5,000円以上の購入があった場合、こちらの封入物を差し込むことを物流チームに受け渡すことができます。アンド条件、オア条件のようなこともできますので、関東で3,000円以上購入の場合はこのようにという形です。封入物の制御はカートシステム側でも行うことができますが、最終的に物流にいかに受け渡すかが一つのキーテーマです。その点が仕組みとして簡易に行うことができるものです。これらの仕組みにより、バックヤードの自動化を進めていくことになります。

自動化を活用する例として、ビフォーアフターを少し書きました。一般的な例として、各サイトからデータを落とし加工を行い、チラシの同梱ルールに基づきメールを書き、指示データを作り、倉庫にメールを送ります。倉庫は終わり次第メールで戻し、それを受け取ったショップ担当者が会計システム、基幹システム、あるいは販売管理の仕組みなどにデータを加工しつつ登録するなどの一連の流れを行っているのだと思います。随所に人手が介在しており、慣れてしまえばルーティンワークですが、結果的にこれらの細かい作業が、人をそちらに拘束する構図になっているのだと思います。


「はぴロジ」でバックヤード業務を最小化しリソースを最適化できる

一方で、「はぴロジ」での自動化の例です。指定した時間に受注データを自動的に取得して、自動的に整形します。かつ自動的にチラシの同梱セットを行い、自動的に倉庫に出荷指示を掛けます。倉庫側では、夜中の間に自動的に帳票データを生成し、人手で出荷業務、デリバリーを行います。結果的にそれがクラウドのシステム上で、在庫、物流の作業ログを一元化され、可視化されることになります。このCSVデータのダウンロードを行い、自社システムに登録、反映することになります。もちろん全自動とまではいきません。どうしてもイレギュラーな業務はあると思いますが、自動化を活用することは、レギュラー業務を自動化することだと理解いただきたいと思います。日々の標準的な業務を自動化することで、バックヤードをはじめ作業の最小化を行うことができます。コンパクトなチームで、売ることにリソースを割いていただきたいと考えています。

昨今ショッピングカートは海外から流れ込んできたサービスも含めて、販売起点は無尽蔵に増えていて、今後も増えると思います。加えてC to Cなど、あらゆる販売手法が出てくる中で、業務の機械化を行うことが、これからの生命線だと思っています。

コンセプトの3点目に挙げている分散出荷の概念についても簡単に説明します。先ほど運賃体系の変更の推移について説明をしました。今まで距離に比例せずに料金が据え置きであった時代には、倉庫の大型化する神話が成立していました。1拠点に集めることが、結果としてコスト効率が最も高い時代でした。1拠点から送ると先ほどの話どおり、遠い所は第4地帯、近い所は第1地帯として距離に応じた地帯別料金が適用されます。私たちの提唱している概念は極めてシンプルです。分散させて、最寄りの倉庫から配送することで、この地帯を引き下げます。残念ながら送料の制御コントロールは、私たちには行うことができません。30年の歴史を経てヤマトさんが天変地異のようなことを起こされたような時代ですので、何者もそちらには対抗することはできません。私たちが行うことができるのは、テクノロジーを活かして、配送地帯を下げます。そうすることで早く安く物を届けるロジックですね。

大手のメーカーや事業会社であれば、この手のことは自社センターで行っていると思いますが、極めて大きな投資を伴います。一方で外部に委託している方は、複数拠点の在庫、物流業務の一元化を行うことは難しいです。空中の移動中の商品もどのようにコントロールするかもあります。他にもメリットとして、昨今大雨などで交通網のマヒが多々ありますが、それらについてのリスク分散。あるいはそもそも今、宅配各社さんは総量規制で、エリア単位で物を送ることのできる量を制限されていますので、送ることのできない事態を回避します。あとは事業成長に応じ、倉庫を増やす、移転を行うことも比較的スムーズにいきます。

分散出荷がマッチするシチュエーションとしては、一つは今回のセミナーの題目です。リピート通販は、こちらに極めて相性がいいです。分散するときのデメリットの一つは、在庫を分散するがゆえに在庫高を押し上げる要因になり得ます。しかしリピート通販、単品通販に関しては、そのリスクを極小化することができますので相性がいいです。その他のケースでは、総合通販、または一般的なECにおいては売れ筋商品のみ分散を行います。または今まで卸を中心に行っていた事業者がECを新たに始めるにあたり、その倉庫ではなかなかECを行うことができないケースが多いですよね。ECのみ別の倉庫で行い、一元化を行います。昨今増えているのは、今まで長年自社で出荷業務を行っており、アウトソースをそろそろ行いたいとは思っていても、確証を持つことができない、心配なことがあります。そのようなときに、私たちの仕組みは、自社オフィスも分散先の1拠点と登録することができますので、自社オフィスと外で一元化を行うことができます。


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株式会社ブレインウェーブ  水井史朗
株式会社ブレインウェーブ 水井史朗

データセンター事業会社の執行役員を経て、2004年ブレインウェーブ入社。 2008年、物流プラットフォーム『はぴロジ』を立ち上げ、事業責任者に着任。 事業理念は、「流通が変われば、世界が変わる」

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