グローバル販売を視野に入れたサービスの構築

SGHグローバル・ジャパン株式会社
営業部 グローバルセールス課 課長
宇留野 哲也





佐川の国際物流部門を担うSGHグローバル・ジャパン株式会社について

初めまして。SGHグローバル・ジャパンの宇留野と申します。よろしくお願いします。SGHグローバル・ジャパンは、佐川の国際の会社です。

今日は越境ECの話をします。

私どもの部隊は越境ECの特殊部隊ですが、今だいたい1日5万個の貨物が越境ECで流れています。CAFE24JAPANもお客さまの一つで、他にもお客さまがいらっしゃってお世話になっています。

その中でいろいろなお客さまの立ち上げも手伝いまして、クレームも受けましたし、ありがとうと言われたこともありました。今日はそのような経験談をお話ししたいと思いますので、よろしくお願いします。


目次[非表示]

  1. 1.グローバル市場と向き合うにあたって
  2. 2.流通が進む先に待っている問題
  3. 3.国際物流に必要なノウハウを貯めていくススメ
  4. 4.海外の物流事情①~日・米・韓の差異
    1. 4.1.『郷に入っては郷に従え』の感覚を持つ必要
  5. 5.成果に大きな影響を与えるカスタマーサービス
    1. 5.1.日本のカスタマーサービスの傾向
  6. 6.コミュニケーションツールの習慣の差がボトルネックに
  7. 7.オフライン決済とオンライン決済の連携
    1. 7.1.オンラインとオフラインの決裁が連携する先に見える世界
  8. 8.外資系の展開力に押される『守り』に入っている日本の企業
  9. 9.さいごに
  10. 10.関連記事



グローバル市場と向き合うにあたって

まず、なぜ『グローバル販売を視野に入れたサービスの構築』をタイトルにしたのかというと、日本の販売業者さまと話をすると、グローバルの市場の中の日本、もしくは日本の事業がメインで、海外もしてみようかという二つのパターンを感じます。

しかし大概は日本の事業がメインで、海外事業は端のほうに部隊があって、海外事業の担当の方は別にいて、取りあえず中国でしてみましょうという感じが多いです。これは実態的にそうだなと個人的に思います。

そういう人たちと話していると、日本の事業がメインで、あくまでも海外の事業は付帯事業と考えているように思います。ですからリスクを敬遠する傾向があります。

例えば、皆さん越境ECというと中国をイメージしますが、中国の法律は分からないし、何かあって会社にリスクがあると自分が危ない。中国語は分からないしリスクが高いから、とても自分たちで海外などできないという方が結構いらっしゃいます。

そういうときに、中国の会社で私どもが代わりに販売しますから、国内でも販売しましょうというパターンが多いです。要は全部丸投げですね。実際は海外販売といっても、自分で販売しているわけではなく、どこかに完全に委ねているというお客さまが多いです。


流通が進む先に待っている問題

ただ、今はいいですが後でどういう問題が起きるかというと、まず中国や韓国の会社は物事に対して非常に積極的にチャレンジします。そうすると、アジアといってもほとんど華僑圏、中国語圏の東南アジアに送りますが、知らない間に中国で売ってもらっている商品が東南アジアでどんどん売られて、東南アジアの人は気がついたら日本の商品がたくさん手に入っているという状況が発生してしまいます。

今から越境ECを始めようと思ったら、中国の会社のほうが有名になっていて、自分の商品は中国の会社に卸さないと売れないという状況になりかねないということがあります。個人的には、日本の企業ももっと積極的に勉強してチャレンジして、自分たちで売っていかないといけないと思います。これから日本は人口が減っていきます。

今はいいですが、海外をしようと思ったら中国の下請けしかできないという状態になりかねないという危惧があります。個人的には、そういった部分も視野に入れていただきたいと思います。



国際物流に必要なノウハウを貯めていくススメ

次に、よくあるパターンです。海外に物を売りたいということで、デザイン、Webサイトの構築、広告の準備、販売の準備ができたので、「佐川さん物流だけしてください」というお客さまがいます。

では、どのように物流をしましょうか、どんなデータがいただけますかといった話になると、国際物流に必要な情報が足りない場合が多く、このままでは出せませんとなります。

例えば中国は、越境EC方式という物流の方式が、出入り損が安くて通関も通るので一番いいですが、それをするには初めからいろいろな条件があります。そういうことをご存じないお客さまは、取りあえず郵便の代わりに佐川が料金を出してくださいという感じできますが、そうすると越境EC方式は使えません。それでは郵便でといって出しますと、本当は11.2%で済む税率が50%も払っていたりします。

また、本来のガイドラインを把握せずに適宜送っていたら、貨物が止まってしまって中国の税関から追徴課税を受けたりします。中国の税関は日本まで来ますので、そんなケースがたまにあります。ですから、海外販売をするときに大事なのは物流、通関です。

これは個人レベルの海外間のお金が送金されますから、普通の貿易と同じです。ですから、事前にどういった流れが一番クリアで、確実な方法かを調査しておかないと、後でしっぺ返しを食うところがあって、意外と物流がネックになります。


海外の物流事情①~日・米・韓の差異

海外向けのサービスを提供すると、「なぜこんなに配達のサービスが悪いのとか」言われる場合があります。日本でも佐川は言われますが、海外向けのクロスボーダーを行う前に、現地宅配のサービスを把握しないといけません。

日本の場合、宅配の標準サービスが、いわゆる世界一般でいうフルサービスです。不在のときは必ず不在票が置かれる、再配達の時間を指定すれば時間どおりに来てくれるのは当たり前ですね。これをしないことがクレームになる場合がありますが、してくれるのが当たり前です。

しかしこのサービスを海外も含めて一般的に見ると、フルオプションサービスです。例えばこれをアメリカで頼んだら、ドア・トゥ・ドアで近場でも、1個1,500円ぐらい取られる場合があります。アメリカの場合だと、いろいろオプションがあります。

どのようなものが標準サービスかというと、アメリカの場合は田舎のほうに行くと家が広いです。人口密度が狭いですから、家から家の間がとても広くて庭が大きいです。そこに勝手にドライバーが入っていったらショットガンで撃たれてしまうので、だいたい庭に置いていく置き配が一般的です。もうちょっと密集したエリアでも、家の玄関の手前にランドリールームみたいなものがあり、そこの合鍵を配達に来る郵便の人に渡しておきます。郵便の人は、家に来たら鍵を開けて、置いていく方法もあります。

韓国の場合は、マンションに必ず管理人がいます。例えば、配達する貨物が10個あるとしたら、部屋までは持っていかず、管理人のところに置いていきますが、その前に今日の何時に配達に行きすという連絡が来ます。荷受人は貨物がいつ着いているか分かっているので、例えば仕事から帰ってきたら管理室に行って荷物を取ってきます。

このように物流事情は国ごとの文化・風土によってさまざまです。


『郷に入っては郷に従え』の感覚を持つ必要

日本のお客さまが海外事業を始めて、貨物を置いていく置き配はやめましょう、少し値段が高くてもいいから、日本の受領印サービス、英語だとPOD、proof of deliveryのように、サインをもらってくださいと言います。

サインをもらいにいこうと思ったら、いつも配達するときにいないので、配達人が持って帰ってしまい、再配達してくれない場合もあります。あなたはサインをもらうサービスを頼んで、届けに行ったところ不在でしたので、荷物を1週間以内に取りに来てください。取りに来なかったら、荷物は元に返しますという紙が入っています。最寄りの郵便局やセンターは200㎞ぐらい離れていて、そんなところまで取りにいけません。良かれと思って置き配をやめたサービスで、逆にクレームが来てしまう場合もあります。

こういう場合もあるので、まずはその国の配達のスタンダードはどんなサービスなのかを知って、お客さまに対してどんなカスタマーサービスをするのがいいかを学んでから始めないと、日本と同じ感覚ですると全くうまくいきません。3カ月ぐらいでめちゃくちゃになってしまいます。


次に化粧箱の話です。日本の場合は、きれいな包装の箱を使って、中も緩衝材を入れたり、紙を入れたり、納品書を入れるのが当たり前です。しかし中国の場合はこうです。段ボールはゴミがたくさん出ます。中にもいろいろなゴミが入っています。私が欲しいのはこの商品だけなのに、なぜこんなにたくさんゴミを送ってくるのですか。こんなゴミはいりませんというクレームがくる場合もあります。それによって違いますが、きれいな箱で送ると盗難がすごく増えます。これはアメリカも同じです。日本が配達のときに使っている梱包資材は、すごくハイクオリティーです。


皆さんが海外で物を売られるときは、同一商品を売っている競合他社がどんな梱包で配達しているかを一回ベンチマーキングされるといいです。日本だと納品して売れるのが当たり前ですが、全然違う場合もあります。これは国によって相当違いますので、そういう部分も戦力的に考えたほうがいいかもしれません。


成果に大きな影響を与えるカスタマーサービス

次に、カスタマーサービスです。意外とこれが一番大変です。どこの会社でもそうですが、カスタマーサービスは最後に決めるところです。全部決まってから、できてないからといくと、全然できないのが海外のカスタマーサービスです。

エリアによって違いますが、時差の問題、他言語の問題、あとはカスタマーサービスの方法です。これは先ほども言いました配達の方法にもよりますが、海外の会社は非常に攻撃的にカスタマーサービスをしなければならない部分があります。


日本のカスタマーサービスの傾向

日本はどちらかというと、貨物を出せば勝手に配達してくれて、何かあったら対応すればいいという感じですが、初めから貨物をずっと追い掛けて、今、連絡するとしておかないとうまくいかない場合があります。そういう点で、非常にカスタマーサービスにお金がかかる、苦労する、うまくいかないという要素が多いです。


コミュニケーションツールの習慣の差がボトルネックに

次に、これが意外とボトルネックになる話ですが、海外でお客さまとのやりとりは、Eメールではなく、SMS、SNSが主流です。先ほどもCAFE24JAPANがおっしゃっていましたが、日本は初めから携帯電話にEメールアドレスが付いています。

しかし海外は、Eメールアドレスが付いておらず、SMSが主流で携帯電話の連絡が発展しました。そこから、今、皆さんが使っているLINEやSNSが出てききました。日本はずっと携帯電話のEメールなので、会社がお客さまに案内するシステムもEメールと連動したシステムしかありません。注文のところにも必ずEメールアドレス必須と書いてあります。

海外の場合は、SMSによく連絡を入れます。会社にそういうシステムがあって、SMSに配信できますが、日本でSMSに配信できる会社が何社あるかというと、ほとんどの会社はシステム的に機能がないのが現状だと思います。ですから、お客さまに案内する方法がEメールしかありませんが、お客さまは携帯でEメールを見ないので案内を見ません。

そのため、先ほど言ったように配達でトラブルが起きる原因は、大概メールをしても繋がらないといった、連絡の方法がないという部分がボトルネックになってしまいます。


オフライン決済とオンライン決済の連携

次はオフライン決済とオンライン決済の連携の話です。基本的に日本は現金商売です。各店舗で現金で物を決済するのが主流で、今、各社インフラができています。皆さんはほとんど現金を使わなくなってきたと思いますが、SuicaやPASMOなどの電子マネー、クレジットカードで決済するなどいろいろあります。

どういうことかというと、電子マネーというのは全てオンライン決済の方法です。オンライン決済の仕組みが、オフラインに入ってきてしまったということです。

今、私たちはコンビニなどに行って、nanacoで払っていますが、あれは決済の仕組みでいいますと、オンラインでかけるのと同じことになります。知らない間に、オフラインの現場をオンラインに占領されてきたという感じです。どういうことが起きるかといいますと、これは私の一アイデアで、真似していただいても構いません。

洋服がずらっと並んでいるお店がありますが、試着する服しか置いていません。これを着て、この服がいいと思ったら、洋服に付いているバーコードをピッとします。その後、会員カードを入れて、クレジットカードなどの決済をします。

そうすると、会員カードの住所が入って、その商品は翌日届くという感じです。試着したものは返さなかったらピーッと鳴るようにすると、お店はあって自分はいろいろ試着できるけど、実は店員は誰もいないというお店ができます。

要はWebサイトで売っているのと同じですが、そんなお店が間もなく出てくるのではないかと思います。例えば、今、Amazonがオフラインに出ているのは、そういう原理を利用しています。


オンラインとオフラインの決裁が連携する先に見える世界

そうしてオンラインの知識を応用して、どんどんオフラインに入ってしまうと、オフラインの商売が駄目になってしまう懸念があります。今後の決済の仕組みは、オフラインにオンラインのオプションを付けるのではなく、オンラインのシステムをコアに、オフラインを作っていかないと、ゆくゆくはそんな商売になってしまうのではないかということです。

先ほどの買った商品は日本から来るのではなく、注文して買ったら、次の日、中国から1個飛んでくるという感じです。要は国の仕切りがなくて、在庫がない販売のようなものがあり得ると私は思っています。


外資系の展開力に押される『守り』に入っている日本の企業

弊社も同じです。日本の会社は、今、どちらかというと守りの経営のところがあります。非常にリスクを嫌い、コンプライアンスを重視するのは、日本の会社も同じだと思います。結果的にはいい人が入ってきても、この人は非常に優秀だが、この人が辞めたらうちの会社はどうするのかというリスクを非常に嫌います。

そのため、どこの会社にも優秀な方がたくさんいらっしゃいますが、意外とスーパーマンみたいな人はあまりいないですね。どちらかというと、平準化してきてしまいます。自社で先行しない守りの経営というパターンの会社が多いです。

ですから、どうしても外資系の会社に後手を踏んでしまいます。先ほども言ったとおり、韓国も中国も積極的な方が多いので、どんどん行かないと日本の会社は下請けしか仕事がなくなってしまう懸念があります。


さいごに

非常に余談が多かったですが、全体的にはどんな感じかといいますと、あくまでも日本の会社さまは日本がメインで、越境ECというと取りあえず中国という方が多いです。そして、海外販売リスクを負いたくない、あくまでも海外事業は付帯事業なのでグローバルECを作ろう、世界を制そうと思っているよりも、あくまでも日本プラスワンという思考が多いです。

中国に売っても、全部丸投げしてしまうと手数料が高くて売れない、売れても利益が少ないという状況が続いて、結局ノウハウが吸収できず、中国の会社に他のエリアに売られてしまうリスクもあります。そういうことを全部踏まえると、日本は人口も減っていきますので、ゆくゆくはグローバルに売らなければいけない時代になります。

ですから、グローバルインフラを作ることを見越して進めていかないと、今後、日本の企業がどれだけ生き残れるかは、これからの世代の方を考えると、個人的には非常に不安に思います。

そういう意味でCAFE24JAPANは韓国のグローバルイシューの最大手です。非常にお客さまが多いので無料でもできます。いろいろな国のサイトもできるので、個人的にCAFE24JAPANをひいきに言うわけではありませんが、CAFE24JAPANのプラットフォームを中心に作ると非常に簡単に作れます。カスタマーサービスの広告も、越境ECも、決済も、ソリューションも、全部、標準的に持っています。海外向けのWebサイトを作るのに、このようにグローバルな部分で全ての機能が網羅されていて、かつ汎用的な会社は日本にまだありません。


どのように作るかといいますと、まずcafe24でプラットフォームを作ります。そうすると、自動的にいろいろな国で物が売れるようになります。一部特化させるソリューションがあるときは、オプションを付けることもできます。このように作っていくと、cafe24のプラットフォームを基盤に、簡単に進出ができます。CAFE24JAPANで足りなかったら、私がどんどんいろいろな会社をご紹介します。

要はプラットフォームで非常に優秀なので、ぜひCAFE24JAPANのプラットフォームのご利用をお勧めします。私たち物流も実績がありますので、使っていただければ非常に光栄でございます。今後ともよろしくお願いいたします。




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