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【第一部】飛躍の2019年へ 「今」こそ見直したいビジネスモデルと集客構造


株式会社これから
執行役員 福岡支社長
志岐 大地

神奈川県出身。株式会社これからに入社後、ECサイト制作の営業を経た後に、CRM支援チーム及び、コンサルティング事業部、広告運用事業部を立ち上げ、新規集客やリピート対策、クリエイティブ制作のノウハウを活かしコンサルティングを行う。2018年1月にマーケティングチームを立ち上げ、自社サービスの営業活動の支援に従事。2018年7月より、福岡支社の開設に伴い、現在は九州エリアを活動の中心として、EC通販支援に取り組んでいる。



|EC通販に特化したコンサルティング、マーケティング、クリエイティブ制作など包括的に支援できる企業

 今回は、単品通販、リピート通販、「今こそ見直したい、ビジネスモデルと集客構造」という題目で行います。まず弊社の簡単な紹介から行います。「株式会社これから」は東京、大阪、福岡の3拠点で事業を行っております。弊社をご存じの方いらっしゃいますでしょうか。ほとんどの方ご存じでないようですが、ぜひ今日覚えていっていただきたいと思います。事業の内容は、主に、EC通販に特化したコンサルティングを行っています。それ以外にも、クリエイティブの制作や、広告運用、リピーター育成の支援などマーケティング面での支援を包括的に行っております。

 そして、今回登壇いたします私は福岡支社の志岐と申します。簡単な経歴を紹介しますと、新卒で入社し、はじめはネットショップのサイト制作サービスの営業に従事しておりました。その後、インターネット広告やコンサルティング部門の立ち上げ等を経て、昨年の7月より福岡支社の設立に伴い赴任しております。

 さて、本日第1部のセミナーは、大きく3つのテーマを用意しております。

1つ目:単品通販の収益を上げるビジネスモデル。

2つ目:自社広告の適切な運用方法を知る。

3つ目:買いたくなる衝動、つまりLPの話です。

 

以上、3つのテーマに沿って内容を進めてまいります。

|単品通販の収益を上げるビジネスモデル

 まず、1つ目です。本日ご参加いただいた皆さまの中には、これから単品リピート通販に取り組まれる方もいらっしゃると伺っております。そこで、最初にビジネスモデルという観点からお話致します。

 さて、この図ですが、縦軸が収支、横軸が年月です。これは、実際の通販事業主の生データから引用致しました。グラフは、リピート通販の累計損益を表したものです。こちらの通販事業主であれば、利益が出るまでに32カ月を経過しております。

 初めて単品リピート通販に取り組む方の中で、よくある勘違いが存在します。単品リピート通販のモデルで実際にビジネスを始めたとき、新規のお客さまを獲得できました。するとそこで、利益が発生しました。その方が2回、3回とリピートしました。また利益が発生しました。顧客の育成が進み、クロスセルやアップセルが生じました。さらに利益が発生しました、というようなことを想像されます。しかし、実際に事業を行っている方は身にしみてご存知の通り、このビジネスモデルというのは成立しません。

 実際には次のようになります。新規顧客を獲得できました。その方がリピートしました。さらに顧客育成ができ、アップセル、クロスセルしました。そして初めて利益が発生しました、というのが単品リピート通販におけるビジネスモデルの多くです。つまり、利益の発生までに、時間や労力といったコストが結構かかるのが通常です。

 そのようなビジネスモデルであるからして、単純な月の黒字赤字といった指標で事業の成否や好調不調の判断をしないでほしいというのが、今後、初めてリピート通販に取り組む方に意識して欲しいことです。それでは何を基に判断するのかというと、まずはPLなどの事業計画を立て、その上で計画に合っているかどうかで、判断してください。たとえ黒字の月があったとしても、そもそも広告費をかけておらず、新規顧客の獲得ができていないのであれば、先細りするリスクが存在します。逆に、赤字の月が存在していたとして、計画に基づき今後黒字に転換することが描けているのであれば問題なかったりします。参考までにこちらのスライドは、実際の通販事業主が事業計画を立てる上で使用しているexcelシートとなります。


|昨今のリピート通販の問題点~既存顧客の流出

次に、現在の単品リピート通販において多くの事業主が抱えている問題点を説明します。私は大きな問題点が4つあると考えています。

1つ目が、新規顧客の減少です。EC通販市場の成長以上にモノが溢れ、競争が激化していく中で、新規顧客数が減っていっているのではないかということです。

2つ目が、新規顧客獲得コストの高騰です。1つ目の理由で挙げた新規顧客数の減少に追い討ちをかけるかのように、1人あたりの新規顧客を獲得するためのコストが高騰しているのということです。

3つ目が、既存顧客の流出が新規顧客の流入よりも多いということです。既存顧客も、競合商材という選択肢が増加する中で、顧客の流入以上に流出が優っているという現象が生じています。

4つ目が、管理や業務コストの増加です。EC通販はテクノロジーの進歩も相まって、より1 to 1やリアルタイムに近い形でのマーケティング活動を行う機会が増えております。この環境下において、管理すべき指標やタスクが細分化され、管理、業務コストの肥大化膨大化が起こっているのではないかと思っています。

本日のセミナーでは全3部を通じて、これら4つの問題点を全て取り上げるのですが、私のセッションでは、まず1つ目と2つ目の問題点について解説致します。

さて、このような問題点が存在する中でも、成功している成長している単品リピート通販の事業主にはどういった共通点があるのでしょうか。今まで多くの事業主を見てきた中で、大きく3つの共通点があると考えております。


|定番の商品開発の手法「トレンド×ずらし」売れる仕掛けを作る

 まず1つ目は、売れる仕掛けがある商品が存在するということです。それは何かというと、昨今のEC通販ではマーケットの拡大以上に、モノが溢れており競争が激化しています。その中でポイントを押さえていなかったり、ロジックをきちんと構築できていなかったりする商品開発というのは、市場で生き残ることができずほとんど失敗します。

 ここで定番の商品開発の手法を1つ紹介します。それは、「トレンド×ずらし」という手法です。とある美容系雑貨の商材を取り扱っている事業主は、この手法を用いることで大きく売上を伸ばしました。当初、この事業主はいわゆる加圧ストッキングと呼ばれる商材を取り扱っておりました。そして、この加圧ストッキング系の競合商材が増え、競争が激化していったので、「ずらし」というのを用い、例えば加圧ブラトップや、加圧ショーツといった、商品の展開を行いました。このケースであれば、加圧というトレンドを押さえながらも、部位を変えることで成功したパターンだと言えます。

 それ以外でも具体的なキーワードとして思いつくものとしては、トレンドとして、脱毛や、スキンケアといった要素を、「ずらし」として現在訴求している部位とは異なる箇所に用いることや、メンズ特化の訴求、クリームであったものを石鹸にするといったことが挙げられます。


|CPAに注目。新規顧客の獲得構造

 2つ目は、新規顧客の獲得構造ができあがっているということです。このスライドでは消費者を購入意欲という軸でピラミッド構造にしております。便宜上各階層を、顕在層、準顕在層、潜在層と呼称しましょう。さて、ここで実際にインターネット広告においてよくクライアントとやりとりする中で、この案件CPA3,000円でやってくれという話が出ます。しかし、単純に画一的なCPAを設ける事が正しいとは思いません。

 なぜかというと、商品の購入意欲が高い消費者はCPAが低くなり、商品の購入意欲が低い場合はCPAが高くなるからです。その状況でCPAを画一的に設けるのは、非常に取り組み辛いものとなります。そこで、顕在層に対してはCPAこのぐらい、準顕在層にはCPAこのぐらい、それらを通算してCPA3,000円にしましょうといったユーザー層に応じたメディアプランの設計、これが不可欠です。成功している通販企業はこの仕分けができています。さらにこの話を掘り進めていくと、EC通販において利益が出やすいのは、もちろんCPAの低い顕在層です。安く獲得できるお客さまの方が、リピート通販において2回、3回といった少ない継続回数ですぐに利益が発生します。そこで生まれた利益を、準顕在層、潜在層の方に投資し、顕在層に引き上げていく。そして、引き上がった顕在層から再び利益が生じ、また準顕在層、潜在層に投資していくという流れをグルグル繰り返していくと、通販事業は安定して成長します。


|単品リピート通販の『核』になる優良顧客の囲い込み

 最後の3つ目は、優良顧客の囲い込みができているということです。より具体的な内容は、ネットショップ支援室さんのセッションで話が出るかと思いますが、私の方でも少しお伝えいたします。

 まず、単品リピート通販には核となる顧客層が存在します。核となる顧客層とは何かというと、今からお伝えする3つの定義に該当するものです。

まず1つ目は、「自社製品が最も課題を解決できるお客さま」です。

2つ目は、「長期間において自社製品を利用していただけるお客さま」です。

そして3つ目は、「LTVが最大化できるお客さま」です。

 よく、2つ目と3つ目の意味合いが一緒なのではないかとおっしゃられることがありますが、2つ目と3つ目は明確に意味合いが違います。1つの商品をずっと続けていただけるだけであれば、3つ目の定義には当てはまりません。1つの商品を長く続けるだけではなくて、アップセルやクロスセルなどを行うことができというのがポイントです。

 以上が成長している通販事業主が持つ3つの共通点です。1つ目は、ポイントを押さえた商品開発ができていること。2つ目は、セグメント分けを行い顕在層や潜在層といった区分に応じて、新規顧客の獲得施策を行うこと。そして3つ目は、自社ターゲットを明確化していて、その核となるお客さまの層を逃さないような施策を展開しているということです。


|利益を生み出すための見直しポイント~単品リピート通販における広告運用について

 さて続いて、本日2つ目の話として、利益を生み出す自社広告の見直しポイントということで、単品リピート通販における広告運用といった内容を取り上げます。こちらは先ほどの図です。先ほど顧客層を購入意欲で顕在層、準顕在層、潜在層でセグメント分けいたしましたが、この購入意欲によって用いる広告メニューも変わります。商品を欲しい方で特にモチベーションが高い層には、ブランドキーワードでのリスティング広告や、商品リスト広告、PLAと呼ばれるものになったり、あるいはリターゲティング広告になったりします。逆に、商品とまったく接点がない方は、認知から行っていく必要があるので、純広告やマス広告がメインになってきます。

 その中でも重要な顧客層はどこかというと、こちらです。まずは利益が発生しやすい顧客層をしっかりと押さえることが必要です。ですので顕在層の広告から見直しましょう。この顕在層から生じる利益を用いて、準顕在層、潜在層の引き上げに投資します。この顕在層に対する広告運用メニューは、正直、テクニックの問題だと思っています。テクニックを用いて、いかに効率よく顕在層を獲得していけるかがポイントです。

 そもそも、運用型広告において成果が出る為のポイントは大きく2つです。1つ目はしっかりとしたアカウント設計ができていること、2つ目はそのアカウントをきちんと適切に運用できていることです。具体的に、アカウント設計においては、獲得できるお客さまの層を最大限網羅することと品質スコアを高める構成というのが重要です。顧客層の網羅について、リスティング広告であれば、このキーワードで調べる方は商品を買うだろう、ディスプレイ広告であればこの年代や性別、趣味、興味、関心を持っている方が買うだろうと想定されるユーザー層を網羅しましょう。

 そのうえで、品質スコアですね。特にクリック率が大きく影響します。ちゃんと適切なクリエイティブをあてることができれば、クリック率は高くなります。クリック率が高くなると品質スコアも高くなりますので、結果として入札単価を大幅に落とすことができます。。

 そして、アカウントを設計して運用を開始した後に、きちんと適切な運用ができているかが問われます。適切な運用は分析と施策から導かれます。運用開始後、あらゆる数字の動きが出てきます。この数字の動きが出ていく中で、では、今どうしてこれが起きているのかという分析と、それを解決するための施策をピンポイントで打っていくことが重要です。

 特に分析面がキモとなります。例えば、リスティング広告では、施策の種類がおよそ8,000種類あると言われています。8,000種類を全部取り組むのは、なかなか時間もコストも労力もかかるので、効率が悪いと考えます。しっかりと分析をして、その8,000種類ある施策の中から一番適切な施策をピンポイントで行っていくのが大事です。

 この適切なアカウント設計と運用を行うとどうなるのか、事例をご紹介いたします。これはリスティング広告のお客様の事例です。入札しているキーワードは一切変えずに、アカウントの構築手法と運用を変えただけです。その結果、こういった数字の変化になりました。入札しているキーワードはすべて一緒なのですが、CV数が増加しCPAが半分になるという事例も出ています。

 何が変わったかというと、まずはクリック率が大幅に向上しています。品質スコアを高める設計ができていて、クリック単価は下がっています。それらの結果としてCPA、獲得効率も倍になったという事例でした。

 本日は顕在層の獲得で王道的に用いられるリスティング広告の改善ポイントをお伝えします。リスティング広告には大きくGoogleとYahooといった2つの媒体が存在しますが、今回はGoogle広告をご紹介できればと思います。今自分たちのアカウントをお持ちの方は、ぜひ一緒にリスティング広告のアカウントを見ながら進めることができれば幸いです。


|リスティング広告3つのポイント~検索クエリ、広告本数、広告表示オプション

 本日は3つのポイントをご紹介します。

1、検索クエリの網羅について

まず1つ目は、検索クエリの網羅となります。Google広告の管理画面を開いていらっしゃる方は、まず、左側の「キーワード」を押してください。「キーワード」を押した後に、右上の「検索語句」というボタンが出てきますので押していただくと、このような画面になります。この画面の中で一番注目していただきたいのが、「追加済み」「除外済み」という項目です。

 この項目を見ていただいた際に、「なし」という記述が多い方は、大幅に改善の余地があります。どうして改善の余地があるのかと申しますと、こちらですね。例えば私が、天神で美容院を経営している立場で、インターネット経由で予約を増やしたいとします。「美容院 福岡」というキーワードだけを入稿している場合、「美容院 天神」や、「美容院 福岡」、あとは「びょういん」というキーワードで検索されると、「美容院 福岡」で入札した金額を基にそれぞれのキーワードに対して入札します。ただし、この場合、一番予約の見込みが高い客層は「美容院 天神」で調べるユーザーとなります。逆に「びょういん」で調べる方はおそらく予約しません。そして、管理画面で「追加済み/除外済み」が「なし」になっている場合は、このキーワードごとの単価コントロールできていない状態です。実際にはこちらのスライドのように、それぞれのキーワードをしっかりと入稿します。その上で例えば、「美容院 天神」というキーワードに一番高い単価をつけ、「美容院 福岡」はそのまま、逆に「びょういん」は除外キーワード登録するのが、適切な運用となります。

 この検索クエリにおける「なし」の状態から「追加」「除外済み」を行うだけで、弊社ではCPAがおよそ21%改善したという実績があります。これは、クエリ追加なしという状態で引き継いだアカウントを、3カ月間、弊社の方で検索クエリ網羅するというアクションを行った結果です。検索クエリを網羅するだけで大幅にCPAはよくなりますので、ぜひ、実施いただきたいです。

2、広告グループの広告本数について

 2つ目は、グループの広告本数もぜひチェックしてほしいです。Google広告だと、まず1番左に広告グループを選択する箇所があります。任意の広告グループを選択してください。その後、こちらに広告と、広告表示オプションがありますので選択して、一番左の「広告」を押してください。すると、今、入稿されている広告一覧が出てきます。この広告を、ぜひ各広告グループにつき3本ずつ入稿してください。

 3本というのは、今、媒体が推奨している広告の本数です。例えば、広告の本数が1本の場合、私どもの方でインターネットのサイト制作を行っていますが、「サイト制作は株式会社これから」という広告文があった場合、ユーザーの中には低予算で作りたい方もいらっしゃれば、クオリティ重視な方もいらっしゃいますし、ともかく納期を早くしてくれという方もいらっしゃいます。この中で、どのお客さまが弊社にとって一番好ましいのかどうかは、この広告文だけでは判断できません。もしかすると、低予算で作りたい方をたくさん受注した方がうちの利益になるかもしれません。もしくは、早くサイトを作ってあげた方がうちの利益になるかもしれません。ですので、しっかりと、まずはそのお客さまを獲得できるように広告文を3本網羅して、それぞれのニーズを押さえてABテストをしていきましょうというのが、重要な項目です。

 この広告文を差し替えるだけでも、CPAが10%程度改善したという事例があります。そして、広告文を入れる際に大事なのは、訴求です。例えば、ランキング1位という権威付けの訴求や、今だけ初回500円という価格訴求、といったように訴求を変えて入れてください。訴求を変えて入れた後には、さらなる検証として、訴求の表現を変えてテストするというのもおすすめです。訴求の表現を変えるというのは、初回500円なのか、初回93%フなのかといった表現の違いでも、ABテストをすると、だいぶ成績が変わってきます

3、広告表示オプションについて

 最後に3つ目です。広告表示オプションというものを網羅しましょう。広告表示オプションは、先ほどと同じように、広告と広告表示オプションの中で「広告表示オプション」を選択いただければ出現します。広告表示オプションとは何なのかというと、こちらです。通販コンサルタントと調べた際ですが、こちらは広告のタイトルです。青いところですね。その下にURLがあって、説明文があります。さらにその下は「サービス」と書いてあったり、青いリンクがついていたりする箇所が広告表示オプションです。

 この領域と比べると、広告表示オプションが入っていた方が、当然、訴求できる要素が増えるので、ユーザーに引っ掛かりやすくなります。ユーザーに引っ掛かりやすくなるとクリック率が上がるので、より品質スコアが向上します。

 広告表示オプションですが、EC通販では特に、この4種類を設定いただきたいと思います。1つ目は表示オプション、2つ目はプロモーション表示オプション、3つ目は、コールアウトオプション、4つ目は構造化スニペットオプションです。広告表示オプション自体は10種類ぐらいあります。中には住所表示オプションという住所などを表示するオプションがありますが、EC通販ではいらないと考えています。逆に、1回の検索で出現する広告表示オプションは、基本的に4種類までです。たまに、Googleはテストで5種類出したりしますが、まずは最低限、4種類を設定してください。広告表示オプションを設定したアカウントと設定していないアカウントでも、成績は変わってきました。こちらです。およそ8.3%も成績に違いがあるというのが、弊社の実績として出ています。

 今回ご紹介した3つは、いずれもお金がかかる施策では決してありません。やっていないぐらいだったらやった方がいい内容です。検索クエリの追加除外をしっかりとしましょう、グループに3本の広告を入稿しましょう、広告表示オプションを網羅しましょうというのが、Google広告の設定見直しで重要なポイントになります。


|購入意欲を持っている層にはLPで訴求する

 次にLP(ランディングページ)についてお話いたします。先ほどから何回も出していますが、ここでも購入意欲をピラミッド構造に当てはめて考えていきます。例えば、購入意欲の低い潜在層である、商品のことをまず知らない、興味がないというターゲットには、商品以外のフックが必要となります。具体的には芸能人タイアップなどといった訴求が挙げられます。逆に、もう商品を欲しいという方に向けては、今月限定30個といった限定訴求や、初回500円という価格訴求を盛り込むと有効です。

 先ほどの広告では、この購入意欲、モチベーションを持っている層にはこの広告を当てましょうという話でしたが、LPでは、LPの構成やストーリーを通じ、購入意欲を引き上げていくことができるというのが、大きく違うところです。ですので、まずは購入意欲が低い、潜在層向けの訴求から始まり、LPを読み進めていく中で、徐々に購入意欲が高い顕在層向けの訴求になっていくというのも、パターンの1つとして存在します。


|LP構築ロジック~解剖学的な見地から訴求点を再整理する

 さらに訴求を出し分けしていくにあたって検討いただきたいことがあります。今回は、あくまでも1つのLP構築ロジックを紹介させていただきます。LPを構築する上で2つの要素の組み合わせが重要です。

 1つ目は、左脳機能と右脳機能に注目して訴求を使っていきましょうというものです。ここでいう左脳は基本的に論理的な思考能力で、右脳はひらめきやクリエイティブに関わる能力を司るものです。この定義に沿ってLPでよく使われる訴求を分別すると、スライドの図のようになります。論理的にこの商品はよさそうだという訴求と、何となくよさそうだという訴求を、使い分けて組み合わせていくのが大事です。

 2つ目は、具体的に1つ目で挙げた訴求をどの順番でLPに盛り込んでいくかということです。基本的に右脳訴求、左脳訴求、右脳訴求の組み合わせでLPを構築していくべきだと考えています。まず1つ目の右脳訴求では、興味付けです。この商品は何かよさそう、何かすごそう、何か欲しいかもしれないという興味付けをイメージで行ってください。その欲しいという気持ちは論理的に合理的に正しいと、次の左脳訴求で訴えてください。最後にまたイメージ訴求で、今買った方がいいかもしれないと右脳に打ち出していくのが、右脳訴求、左脳訴求、右脳訴求の組み合わせとなります。さらに細かい訴求を書いていきます。こちらの黄色い部分が右脳訴求で、青色の部分が左脳訴求です。こういった順序でLPを作っていただければと考えています。

 このスライドは、今お話した内容を基に、LPを構築し直した結果です。この事例では、変更前の購入率が1.62%でしたが、変更後は3.50%まで数字が改善しています。これだけ購入率が改善すると、売り上げが2倍、もしくはCPAが半分というインパクトがあります。

 大前提としてLPで大事なのは、ABテストを重ねることです。Aの訴求とBの訴求はどちらがいいのかといった内容をひたすらテストしていき、各事業主様にとって最適なLPを生み出して頂きたいです。その前にまずはベースとなる構成の1つを本日はお話し致しました。

 LPには今ご紹介した内容以外にも細かいテクニックがあります。例えば、ボタンを緑色にすることや、価格のカンマを抜いた方がクリック率は上がるというのは皆様もお聞きになられたことがあるのではないでしょうか。けれども、訴求の要素と順番というのが、購入率を改善する上で大きなポイントとなります。


|動画マーケティングが重要になる2019年の集客トレンド

 最後に、2019年最新集客トレンドというお話をします。2019年、これは何年か前から言われていますが、あらためて動画の年になると考えています。どうして動画の年になるかというと、こちらのグラフが根拠です。今年は大体、動画の市場が1,900億円程度になると言われています。この1,900億円という数字は非常に重要です。インターネット広告市場全体のシェアが16%を超えるのが2019年です。この16%という数字は、キャズム理論などで解説されるように、一般的に物事が普及する際に超えられるかどうかという大きな分かれ分岐点になっています。16%を超えることで、2019年は動画の年になると考えています。

 ちなみにこちらの表は、LINE Ads Platformという、LINEの広告媒体に出稿した実績です。静止画と動画だと、CPAで30%ぐらいの差が出ています。ですので、ぜひ今年は、動画をクリエイティブの1つとして入れていってください。

 けれども、まだまだ動画のノウハウが溜まっていない事業主様が多いと伺っておりますので、最後に3つの動画作成のポイントをご紹介いたします。


|動画作成の3つのポイント クリエイティブ本数・尺長・検証ポイント

 まず1つ目は、クリエイティブの本数が非常に重要です。まずは4本以上入稿しましょう。先ほど、広告文は3本入稿しましょうと言った後で恐縮ですが、動画広告に関しては、必ず4本以上入稿するようにしてください。どうして4本なのかというと、1本や2本だと、動画広告の数字がきちんと取れる前にクリエイティブそのものの劣化が先にきます。賞味期限が切れてしまう方が先にくるので、ちゃんとした数字が取れません。ですので、必ず4本以上入稿して、数字が取れる状態で検証していってほしいと考えています。例えばこちらは、育毛剤系の広告です。こうした形で、動画のファーストビューを4本変えて検証を行ってください。

 続いて2つ目は、動画の長さです。こちらの図は縦軸が動画の視聴率、横軸が秒数です。20秒を超えたあたりから、2%を切ってきます。ですので、20秒以降はあまり購入率に差が出ません。例えば、Facebookなどで動画のクリエイティブを作る場合でも、基本的には15~20秒以内で作りましょう。3分の動画を1つ作るぐらいなら、20秒の広告を9本作っていただければと思います。

 最後の3つ目は、検証ポイントです。検証していく上で、優先順位の高いものから検証していってください。一番検証ポイントの優先順位が高いのは最初の3秒です。最初の3秒で7割が離脱すると言われています。最初の3秒の中で訴求の軸と、訴求の表現をどんどん変えていって、テストしていってください。この4つは、弊社の中でも特に、動画広告の訴求軸で反応がいいものですので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

 以上、動画クリエイティブのポイントです。1つ目は、同時複数ページで4本のページを入れてください。2つ目は、長さは15~20秒で作成してください。3つ目は、最初の3秒の訴求を細かく検証してください。


|まとめ

最後にまとめです。本日のセミナーのゴールですが、1、ビジネスモデルは後から回収していくモデルになります。2、広告運用、グーグル広告では、3つの改善ポイントがあります。3、最後に、LPは訴求の軸が重要ですという話を、本日はお話ししました。ここまでのご清聴、ありがとうございました。


株式会社これから 福岡支社長 志岐大地
株式会社これから 福岡支社長 志岐大地

神奈川県出身。株式会社これからに入社後、ECサイト制作の営業を経た後に、CRM支援チーム及び、コンサルティング事業部、広告運用事業部を立ち上げ、新規集客やリピート対策、クリエイティブ制作のノウハウを活かしコンサルティングを行う。2018年1月にマーケティングチームを立ち上げ、自社サービスの営業活動に従事。2018年7月より、福岡支社の開設に伴い、現在は九州エリアを活動の中心として、EC通販支援に取り組んでいる。