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【前編】「ID-POSのデータ活用術 ~1to1マーケティング実現に向けて~」

コニカミノルタ株式会社
マーケティングサービス事業部
黒瀬 絢也

東京都立高等学校数学科教諭として5年間従事。業務の視野を広げる為、ビジネスの世界に転身。ITベンチャーに勤務後、コニカミノルタに転籍。大手消費財メーカーや大手小売業者へのマーケティング分野に関わるデータサイエンスを用いた課題解決を主に担当。G検定・E資格(共に、日本ディープラーニング協会)保有。


近年、顧客購買行動が多様化するにつれて、1 to 1マーケティングのニーズが高まっています。そこで本セミナーでは、1 to 1マーケティングを実現するための第1歩をお伝えします。

前編である今回は、似たもの同士をグループ分けするクラスタリングという分析手法を使うマーケティング方法、そして1 to 1マーケティグを実現するためのステップを事例とともにご紹介いたします。

目次[非表示]

  1. 1.マスマーケティングの課題
  2. 2.クラスター別マーケティング事例
  3. 3.クラスター別マーケティング事例1「RFM分析」
  4. 4.クラスター別マーケティング事例2「顧客クラスタリング」
  5. 5.クラスター別マーケティング事例3「商品クラスタリング」
  6. 6.1to1マーケティングへの発展
  7. 7.ID-POS事例1
  8. 8.ID-POS事例2
  9. 9.ID-POS事例3
  10. 10.まとめ

マスマーケティングの課題

初めに、マスマーケティングの課題についてお話いたします。
ターゲティングした顧客へのアプローチとして、全体に向けマスマーケティングを打ちます。しかし、効率的にターゲット顧客へのアプローチができずにコストも膨れがちという課題があります。
クラスターとは
クラスターとは似通った属性などで構成されるグループのことを指します。デジタルの発展もあり、より細かいクラスターへ効率的にアプローチが可能になったものの、お客様のニーズの移り変わりが激しく、多様化している中で素早く対応を行うことが困難であるという課題を昨今お客様からお伺いすることが多くなりました。
これらの課題を解決する1つのアプローチとして、1to1マーケティングがあります。詳細は後編で触れますがこれはID-POSを使用することで分析が可能です。

クラスター別マーケティング事例

クラスターの分類手法は、大きく分けて2つあります。
・ルールベース
・クラスタリング(統計手法)

ルールベースとは、例えば2つの変数でマトリクスを書いた際に、人間の意志で区切りを決めグループを作る方法です。しかし、使用する変数が多くなるとルールベースでの切り分けが難しくなる事、また多くの変数を持つデータから示唆を得たい場合は、クラスタリング(統計手法)が便利です。メリットとして例えば、店舗のクラスタリングであれば、店舗の売上、GISデータ(人口、駅からの距離、土地柄など)を入れることで、その店舗の特徴を捉えたグルーピングができます。

クラスター別マーケティング事例1「RFM分析」

ルールベースで有名なのが「RFM分析」です。RFMとは、Recency(最新購買日)、Frequency(購買頻度)、Monetary(購買金額)の3つの頭文字のことを指しています。
下記の表のように、RFM毎にそれぞれ定量化し、顧客のセグメント化を行ったうえで、それぞれのブロックにいる顧客を優良顧客に育てるためにどのような施策を打つかの検討を行うために使われる分析です。

クラスター別マーケティング事例2「顧客クラスタリング」

最もポピュラーなクラスター別マーケティング事例としては「顧客クラスタリング」が挙げられます。既にある顧客データを元にクラスターでグルーピングを行い、それぞれのクラスターに合わせて、クーポン、POP、キャンペーン、メルマガ、リスティング広告など、最適なマーケティング施策を実施することができます。

クラスター別マーケティング事例3「商品クラスタリング」

リアル店舗での商品の買われ方をもとに棚前の滞在時間や販促効果のあるなしでクラスタリングした事例となります。(ここではわかりやすく4つのグループに分けています)実際のお客様の施策としましては、販促効果の高い商品に集中してPOPを出す、クーポンを出すなどで活用いただいております。

ちなみに店頭でのデータはなかなか取得することができませんが、弊社の『Go Insight』ではリアル店舗のショッパー行動の分析を一気通貫のコンサルティングサービスでご支援しております。ご興味がございましたらぜひご連絡をお願い致します。

1to1マーケティングへの発展

「1to1マーケティング」という言葉にもさまざまな定義があります。今回は「顧客それぞれの嗜好に合わせたマーケティングによって、より効率良く購買への訴求を行うこと」という定義でお話いたします。また、今回は1to1マーケティングの中でもID-POSに関するデータ分析事例を中心にご紹介いたします。

「ID-POS」とは誰が購入したかの情報を含んだPOS(購買履歴データ)を指します。
ID-POSの主なメリットは、下記5つあります。

1.    個人個人に最適なマーケティングの施策の実施ができ、売上向上に寄与できる
2.    販促効果の検証ができる
3.    同時購入物の分析によって、最適な棚割や売り場作りができる
4.    それぞれの流動的な時間軸の変化に対する広告投下ができる
5.    より素早く緻密な顧客・商品クラスタリングができる

今回は1-3について、事例を交えてお話いたします。

ID-POS事例1

まず、1つ目として「個人個人に最適なマーケティングの施策の実施ができ、売上向上に寄与」できた事例です。

最も大事な箇所が、始めの①課題の設定・要件定義となります。
ここで言うと小売様が「売上高KPI達成の為に、クーポンを発行してリピート率を向上させたい」という明確な課題と目標を持ち要件定義を行います。

次に、②小売様とメーカー様の方で「クーポンはメーカー負担」「システムは小売負担」など交渉し運用体制を構築していきます。ちなみに①②についても弊社が介入し小売様とメーカー様の間に入ることでスムーズに進めることができます。③データベースから取り出したそれぞれのお客様の購買行動をAIに学習させる事で、こういう顧客にはこの時間帯にこいうった商品が売れやすいという傾向が明確に分かり始めます。④ここまでの流れが達成できると最適な販促施策をそれぞれの顧客へ個別に打つことができます。またこのような分析をすることで、単発な施策に終わらず、リピート率の向上や顧客ロイヤリティの向上など持続可能な売上高の向上につなげていくことができます。
結果は⑤にまとめておりますが数字としての結果のみならず、小売様とメーカー様の連携が密になることで両者の関係性が向上したという嬉しいお声もいただいております。

ID-POS事例2

「販促効果の検証」に関する事例をご紹介しましょう。

まず、①のように一番の要件定義が非常に大事です。②その後に小売様、メーカー様のご要望を伺い、③弊社にて分析を行います。具体的には数万人、数十万人のレベルでサンプリングを行い販促施策の打ち分けを行うことで、どれくらい効果があったのか、属性毎の情報を取得し、販促の効果を定量化していきます。④結果として、効率的な販促を選択する事が出来た為売上を最大化しつつ、効果の少ない販促を止めることでコスト削減を実現することができました。また、結果を定量的に示すことが出来るため、メーカー様が小売様へ行う営業の材料としても実際にご活用いただいております。

ID-POS事例3

最後に、「同時購入物の検証により、最適な棚割や売り場作りができる」事例です。

まず、①最適な売り場作りをしたいという要件があり、②優位置と呼ばれる非常に売れやすい棚や棚割を行うにあたり定量的な根拠を得たいなど目的を伺います。③実験フェーズではID-POSを使い、実際に棚割を変えた際に人の購買行動がどのように変わるのかを見ることで棚割の効果を定量化しています。④AIに分析させることでさらに最適な棚割を導くことが可能です。競合メーカー様との違いも定量的に把握することが出来ます。
1to1マーケティングの実現に向けた顧客理解
1to1マーケティングの実現に向けて、下記2点が重要だと考えています。

・顧客行動分析
・購買実態分析

購買実態分析についてはID-POSで解決ができます。上記の図のように顧客軸、店舗軸の2軸で捉え、顧客軸であれば顧客数、顧客単価で分解し、さらに分解して考えることで新規顧客獲得、リピート率向上等の施策を検討することができます。

「ID-POSの分析を行ったのは良いけれど単発で終わってしまった…」「データはあるけれど分析を行う前に整える手間が掛かる…」「そもそも、分析できるデータの整理できていない」などのお声をよく伺いまます。やはり運用・分析を行うにあたりインフラの整備は必要になってきますが、詳しくは後編のコニカミノルタジャパン荒井から詳しくご紹介いたします。

まとめ

本セミナーのまとめです。
ID-POSを用いた、より細かい対象への柔軟なマーケティング施策の実行により、大きく売上を向上させることが可能です。
単発の分析ではなく、持続可能な分析基盤を整えることも重要です。


データの分析・活用についても弊社がサポートしておりますので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。
後編の公開もどうぞお楽しみに。

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コニカミノルタ株式会社  黒瀬 絢也
コニカミノルタ株式会社 黒瀬 絢也

東京都立高等学校数学科教諭として5年間従事。業務の視野を広げる為、ビジネスの世界に転身。ITベンチャーに勤務後、コニカミノルタに転籍。大手消費財メーカーや大手小売業者へのマーケティング分野に関わるデータサイエンスを用いた課題解決を主に担当。G検定・E資格(共に、日本ディープラーニング協会)保有。

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