
『後悔しないD2Cカート選定のポイント』
株式会社ネットショップ支援室
山川 直人
株式会社ネットショップ支援室にて福岡支社長、兼グループ会社である株式会社ファヴールマルシェの福岡支社長。前職は過払い金の司法書士事務所で勤務し、そこでは総数200名規模の24時間365日稼働のコールセンターで勤務していた経験を活かし、お客様の目線に立ったリアルに近い通販の接客をご提案に強みを持つ。
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自己紹介
株式会社ネットショップ支援室にて福岡支社長として運営全般に関わりながら、グループ会社である株式会社ファヴールマルシェの福岡支社長を兼任しております。今、入社して2年目ですが、前職は過払い金の司法書士事務所で働いており、そこでは総数200名規模の24時間365日稼働のコールセンターで従事しておりました。
ネットショップ支援室では本日ご紹介させていただきます『楽楽リピート』『アシスト店長』など、ECを行う上で必要なツールの営業を行い、ファヴールマルシェではコスメの開発はもちろん、げ銭アプリを運営する17 Madia Japan様とコラボイベントを行い、ダイバー様たちと共同コスメ開発を行っております。
会社概要
ドクターズコスメとして名高い通販会社であるエクセレントメディカルは実は弊社のグループ会社です。ネットショップ支援室で作ったシステムをエクセレントメディカルで使用し、使った結果を共有し改善案やPDCAを回すことで、よりブラッシュアップした製品を皆様にお届けするスキームで動いております。
『アシスト店長』は楽天、Yahoo!、Amazonなど多くのネットショップで受注処理を効率化するツールです。『楽楽リピート』は単品リピート通販特化型のカートシステム、『楽楽B2B』は卸向けのカートというように、さまざまなツールを展開しております。ECの根幹的なシステムをすべて“一気通貫”で提供できる、EC業界でも唯一無二の会社です。
弊社のツール『楽楽リピート』を導入いただいている企業様を少しご紹介させていただきますと、『ユーグレナ』で有名な株式会社エボラ様、コンタクトECで導入いただいている眼鏡で知名度の高い株式会社ゾフ様、九州で有名な製薬会社である株式会社サン・クラルテ様にもご利用いただいております。
年商30億の企業へ成長するためのHow To
本日は、グループ会社であるエクセレントメディカルで行っている事業内容、そのなかから成功事例や失敗事例をお伝えさせていただきます。
現在、株式会社ネットショップ支援室は年商30億の企業になりましたが、福井に10年前立ち上げており、当初は資金力や知見、マンパワーもない状態でした。そのなかでどうのように売上を伸ばしていったのか、骨組みからお話させていただきます。
最初はモールからの出店を始めました。楽天、Yahoo!、Amazonで集客を行っていたのですが、自社商品だけでなくベンチマークとなる他社の商材も仕入れることにより、似たような商材を求めるお客様を自社サイトに誘導することを行っておりました。
モールと自社サイトのメリット・デメリット
モールと自社のメリット、デメリットを紐解いていきましょう。モールは楽天、Yahoo!、Amazonなどを利用することで高い集客力を獲得することができます。しかし、デメリットとしては顧客データを有効活用できません。自社サイトであれば自力で集客しなければなりませんが、顧客情報を活用できるメリットがあります。
モールへ出店した場合、モールへのマージンがあるため利幅が伸びません。仕入れ商品も同様で仕入れ原価が高いため利益が低くなります。
そこで、自社サイトで自社商品を販売することにより、利益率を大幅に改善する方法を行いました。その方法とは、封入物とメールを最大限に活用することです。
その前に、「楽天などのモールから自社サイトへの集客は禁止ではないの?」と思っている方は多いのではないでしょうか。実は約4年前に露骨でなければ可能という規約が発表されまして、弊社ではこの規約に合わせながら封入物やメールで売上をアップさせています。
封入物とは何か?
まず、そもそも封入物とは何かという点からお話させていただきます。皆様も何かしら通販で注文した経験があるのではないでしょうか。商品を注文し箱を開けますと商品本体、チラシ、冊子、お手紙などが入っていることが多いと思います。このチラシ、冊子、お手紙を封入物といいます。
今お話しました冊子ですが、広げてみるとQRコードが2つ載っています。これは、楽天でご購入いただいた方には楽天のショップのURL、もう1つには自社サイトのURLを載せており、露骨ではない誘導をしております。しかし、横を見ますとLINEと連携するとクーポンがもらえる、チラシの裏を見ますと自社サイトで使えるクーポンがあるなど、さまざまな導線を張りながら自社サイトに誘導しております。
封入物の例をもう少しご紹介していきましょう。
0円のサンプルから定期に引き上げる告知、商品の使い方やお客様の声を明記した封入物をモールで購入したお客様にお届けしています。
封入物の最大のメリットは、商品を購入した方が100%手にするという点です。ECではどうしてもその方に合った接客が難しいものです。なかには、すべてのお客様に対し同じ内容のチラシ、冊子、メール、サンプルをお送りする企業様も多いですが、もし対面で接客する際に同じようなことをするのか考えてみますと、きっとやらないのではないでしょうか。
対面ではお客様の顔が見えており、過去の情報を把握しご提案していると思います。ECでもここが非常に大切です。自社では購買情報がありますので、お客様に合ったサンプル、封入物をお送りすることが可能です。これをECでも行うことにより、その方に合った接客が実現できるようになります。
封入物の成功事例・失敗事例
ここから、封入物の成功事例・失敗事例をご紹介しましょう。
「仕入れ商品」の売上UP事例
まず1つ目としまして、「仕入れ商品」をご購入いただいたお客様に自社商品の紹介冊子を入れた事例を見ていきます。約2万5000名の方にこのような同梱物をお送りしたのですが、結果的にこの紹介冊子だけで約1400万円の自社商品が自社サイトで売れました。
単純に約1400万円という数字も大きいですが、自社サイトに誘導したことによりマージンの支払い率が減る、自社商品になることで原価が下がるなどのさまざまな効果が出ております。
シーズン商品の売上UP事例
もう1つ成功事例をご紹介しましょう。春先に新型コロナウイルス対策としまして次亜塩素酸水のブームが起こっていたかと思います。弊社でも次亜塩素酸水を販売しており、ご紹介するのはコロナ禍前の実績です。11月~1月に、モール、自社サイトでご購入いただいたお客様にこれからの時期の感染症対策、消毒アイテムはいかがでしょうか、とチラシをお送りいたしました。
約1万9000名の方に同梱し、引き上げ率は0.9%、チラシの制作だけで125万円の売上アップが実現しました。冬のシーズンしか売れないものですので、同梱して2か月で売上125万円、しかも掛かった費用は封入物の製作費、印刷費のみという結果が出ました。
商品を使う動機を満たさずクーポンを同梱した、失敗事例
次に失敗事例をご紹介します。エクセレントメディカルで自信作であったお肌のピーリング商品のお試し品をご購入いただいたお客様に本品のクーポンを同梱しました。しかし、引き上げ率は0.7%と弊社が考えていた結果よりも大幅に低くなってしまいました。そこでPDCAを回し原因を究明したところ、商品の良さをしっかり伝えられていないのではないか、という結論に至りました。そこで、効果効能、効果的な使い方、お客様の声をご一緒にクーポンに明記することで、引き上げ率0.7%から4.0%に大幅改善されました。
ここから考えられることは、商品を使う動機には、効果、使い方、利用事例、お客様の声といった内容が必要ということです。実際に購入に至る動機は、定期購入がお得である、今であればクーポンが使える点が結びつき、商品を使う動機、購入に至る動機の2つが揃って初めて定期購入になります。
失敗事例では、商品を使う動機が満たされていると勘違いしたままクーポンをチラシとして送ってしまい、残念な引き上げ率となってしまいました。
このことからも、皆様が封入物をお送りする際にお客様が今何を考えているのか、どういう心情なのか、どういうことをして欲しいのかを考えアプローチすると良いでしょう。
自動メールでのCRM施策
封入物をお送りしたあと、メールでの接客も重要だと考えています。通販サイトで購入をすると、どこも同じような発送メールが届きますが、エクセレントメディカルではプラスαとしてお客様の購入情報、過去の履歴、踏んできた媒体によってパターン化したテンプレートにより内容を差し替えています。
例えば、エクセレントメディカルの商品でいいますと「ハイドロキノン」という商品があります。この「ハイドロキノン」は含有している強い成分のため注意が必要です、という文面を必ず入れています。この商品を購入した場合に必ず差し込むように運用しています。
このほかにも購買情報に合わせて値引きクーポンやキャンペーンについて差し込むのも良い運用方法などではないかと思います。
キャンペーンで有効な方法は、納品書やメールにクーポン情報を差し込むことができますので、せっかくご購入いただいたのであれば、お客様の接点を最大限に活かすことが非常に大切です。ただ接点を増やしたいと言っても、一人ひとりのお客様の接点を1件ずつ行っていては手が回りません。エクセレントメディカルではツールを使用しメールを自動作成、自動送信を行っています。ここで空いた時間に人が手で行わなくてはならない作業に充てることで、ファンやリピーターを増やすことができます。
そういったご提案をしているおかげで、ネットショップ支援室の評価は1万件を超えるレビューの中で5段階中4.7という高評価をいただいております。
一方でメールというEC顧客の接点に最近では困りごとも増えてきました。メールですと開封率が低い、端末毎に合わせてさまざまなテンプレが必要になる、開封しても中身が見てもらえない、即効性がないという課題を解決する方法として、LINEの連携があります。
単品通販におけるLINE連携の成功事例
こちらもエクセレントメディカルの実際の実績になりますが、PCサイト、スマホサイトにLINE連携の導線を引いておりまして、現在稼働しているお客様の50%がLINE連携をしていただいております。
LINEの連携のメリットは、これまでお話しましたメールでの施策、注文確認メール、発送メール、フォローメール、ステップメールなどをLINEに置き換えて送信することができます。LINEに置き換えることで開封率が格段に上がり、オリジナルメッセージを送ることにより1to1の接客を受けているような印象をお客様に与えることができます。
LINEの連携を促進する方法としまして、エクセレントメディカルではLINE連携をしていただきますとポイントをプレゼントする、お試しサンプルがもらえる、といった施策を平行して行いながら、既存のお客様をどんどんLINEに紐づけることを行っております。
『楽楽リピート』の宣伝にはなりますが、『楽楽リピート』であればよく通販サイトであるようなID、パスワードを入力する手間もLINE連携をしていただくことにより「LINEでログイン」というボタン1つでショップサイトにログインすることができます。
なぜLINE連携が重要なのかといいますと、例えばLPをお客様を獲得した場合、獲得したのはスタートであり、そこからどれだけLTVを取れるのか、一人のお客様からどれだけ売上が取れるのか、という点が通販において非常に大きなウエイトを持ちます。そのためネットショップ支援室では購入していただいた後のアクションをとても重要視しています。
前半部分のまとめですが、封入物、同梱物の施策をまずチャレンジしてみましょう。
そのなかでも
① 1to1の封入物・同梱物施策
② ①を実行する上で、さらに自動メール差込で接客向上
上記2点を行うことでオフラインのような接客を実現できますので、ぜひトライしてみてください。
さらにLINEを活用しますと、飛躍的に確立がアップしますので、取り入れていただくと良いでしょう。
受注処理の自動化
さて、後半では受注処理の自動化についてお話していきたいと思います。
受注処理には仕組化が非常に大切です。業務はコア業務(売上拡大業務)とノンコア業務(受注処理業務)の2つに分かれます。売上拡大のための作業(コア業務)を行うために、どのようにルーティン作業(ノンコア業務)を減らすか、が仕組化の本質です。よくお客様から「そもそも考える時間がない」とご相談をいただくのですが、ここはやると決めていただき、どんどんPDCAを回ることが大切です。そのなかでさまざまなシステムを入れて効率化を図ることが重要になっていきます。
こういった悩みが出るフェーズとは、売上がちょっと伸びてきたフェーズかと思います。事業を立ち上げた段階では、立ち上げた方、あるいはスペシャリストの方が一人で事業を回せていた時代を超えると、皆でチームとなって動かなくてはならない時代に入ります。このときに仕組化の悩みが出てきます。
どのような悩みが出てくるのかといいますと、「改善したいけれど業務で手一杯で施策どころではない」「毎日の受注処理が大変…」「人を増やしたけれどミスが増えてしまう」「利益が出ない」など、こういった悩み、お話をよく伺います。
特にこの利益が出ないという部分を分解して詳しく見ていきましょう。会計処理をしてみると意外と利益が出ないという理由を分解しますと、①大量広告・安売りをしてしまう、②獲得した顧客をリピーターにできていない、③「仕組化」ができておらず、受注処理=“人件費”が高い、という3つの悩みに分類されることが非常に多いです。
①大量広告・安売りをしてしまうについては、広告やLPのPDCAにより改善が見られると思います。②獲得した顧客をリピーターにできていないについては封入物、同梱物、メールの差込内容によって顧客をファンにしていきLTVを獲得することで改善が見込めます。③「仕組化」ができておらず、受注処理=“人件費”が高い、についてですが、もう少し紐解いてみますと、受注・発送処理を行うバックヤードの課題が浮き彫りになっていることがわかります。バックヤードのガラパゴス化と言われるもので、バックヤード業務手順が独自の進化をし、企業様オリジナルになっているケースが挙げられます。
受注処理とは、注文を受け、お礼のメールを送り、クレジットカードなどの与信を取り、出荷をしていきます。出荷を終えれば完了メール、フォローメールをお送りするというのが一般的な流れです。しかし、スムーズに動いていない店舗様が多く、創業当初から活躍する職人さんによる独自の手順が非常に多くなっている傾向があります。ほかの売れている店舗様の仕組みを取り入れて標準化、平準化することが大切です。
具体的に平準化できるものについては、一部抜粋をさせていただきましたが、
① 受注データ処理の自動化
② メール送信の自動化
③ クレジット・後払いの自動与信
④ 受注データ検索条件保存機能・手順化
⑤ メール一括送信機能
⑥ メール自動差込機能。条件差込機能
⑦ 封入物(チラシ・サンプル)の自動同梱
こういったことをすべて仕組化していくことが重要です。⑦の自動同梱についてですが、前半ではその方に合った同梱を行うべきとお伝えしました。注文内容を見て「この方に何が必要か」を考えるのは非常に大変ですので、エクセレントメディカルでは「こういった条件の方にはこのチラシを入れたい」「このチラシを入れることで、このようなゴールを描きたい」などシナリオ設定することで。注文が入ってきたら自動でピッキングリストに入ってくるシステムを導入しています。
上記の7つを行いますと、先ほど職人の方が一人ひとりオリジナルの手順で作業を行っていたのがすべて手順化され、自動化することができます。最後に残ってしまう部分としては、ピッキングし箱詰めする部分かと思います。ここはどうしても手作業になりますが、ここもアウトソーシングをすることで自社業務から手放す企業様もいらっしゃいます。
効率化するための4つのPDCA
ここまでのまとめです。
効率化するためには、大きく4つのPDCAで捉えることができます。
① まず他社の成功事例を知る
② 良い部分を取り入れる
③ 属人化の廃止
④ 他社でやっていないことは一度見直す
良い事例など学びになる部分は試してみます。そして、自社しか行っていない特殊な運用は本当に必要なのか見直していただくと良いでしょう。そこで要らないと感じた運用は廃止することにより属人化していくことを止めていきましょう。そうすることで新しい方が増えた場合、担当が代わった場合でもスムーズに引継ぎができ事業拡大ができるようになります。
新規獲得からCRMまでALL IN ONEで対応可能な『楽楽リピート』
ここまでの全体をまとめますと、
ECで売上を上げるためには、効率化で時間を削減し、空いた時間で人の頭で考えていかなければならないことにリソースを割いていくことが大切です。
顧客一人ひとりのCRM施策を行い、受注処理の効率化を見直していきましょう。すべて自社で行おうとすると限界が来てしまいますので、システムやツールを利用すると大幅な効率化が見込めます。
ただし、システムを入れようとすると「システムって難しそう」「いろんなツールを使わなくてはいけないの?」「結局コストが高くなりそう」という悩みが出てくるかと思います。
そこで解決策としておすすめしたいのが、弊社の『楽楽リピート』です。リピート通販で必要なものがALL IN ONEですべて入っております。サイト構築、受注処理も簡単にできます。メルマガやステップメールも配信でき、封入物も自動的セットが可能です。また、LINEの連携もできるツールになっております。いわゆるカートシステムでよくある新規顧客を獲得するところはもちろん、それ以降のCRMツールが行うLTVの最大化についてもカバーしております。新規獲得からCRMまでALL IN ONEで対応できるシステムです。
CRMの中で踏んできた広告媒体によりその後の接客を変えていくという話がありましたが、『楽楽リピート』ではまさにそのような機能を持っております。踏んできた媒体によって封入物、メールを出し分けることが可能です。その上でステップメールなども変化ができますので、一人ひとりに合ったCRM、つまりリアルな接客に近しいような接客ができる点が弊社の強みです。
もし興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社までお声掛けください。ご清聴いただき、ありがとうございました。
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