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「事例」をベースにしたマーケティング施策

株式会社CyberACE
久慈 秀斗

2017年に株式会社CyberAgentに入社後、同年に子会社を設立し、その後取締役に就任。2019年に経営する子会社をCyberACEと経営統合し、現在CyberACEマーケティンググループのマネージャーを務める。


今回は理論の話よりも、なるべく再現性のありそうな具体的な事例をベースにお話しできればと思います。特にGoogle、Facebookを始めとする運用型媒体は、自動学習の進化により近年運用効果に差異が出にくくなってきました。またD2Cと言われる「Story」をもつ通販企業の参入で、ダイレクトマーケティングはますます競争が激化しています。そこで差を生むのは、「クリエイティブをどうするのか」「Dataをどう使うか」この2点に集約されると考えています。こちらに関して弊社のナレッジをお話します。

目次[非表示]

  1. 1.自己紹介
  2. 2.株式会社CyberACEとは
  3. 3.クリエイティブを活用!CyberACEの最新事例
  4. 4.ケース1:「音楽なしでも楽しむことができるか」
  5. 5.ケース2:「とりあえず動画を入れる」
  6. 6.ケース3:「縦長の重要性は高まる」
  7. 7.ケース4:「Googleアナリティクスを広告にも使う」
  8. 8.ケース5:「最適化してデータは統合する」
  9. 9.ケース6:「タグを制御する」
  10. 10.ケース7:「アドバンスドマッチングの活用」

自己紹介

改めまして株式会社CyberACEの久慈秀斗と申します。マーケティンググループのマネージャーをしております。年間100社ほどのお客様に、ダイレクトマーケティングを中心とした戦略、広告配信から計測までのご提案を実施しております。営業と異なる点は既にお取引のあるお客様ではなく、新規のお客様の戦略立案に特化しご提案することをミッションにしております。


今回は、顕在層に近いCPAなどで評価される、より売上げに近い部分をダイレクトマーケティングと定義しお話をさせていただきます。

株式会社CyberACEとは

まず、親会社である株式会社CyberAgentは、2020年度は約4600億円近くの売上を予想しており、従業員数は正社員だけでも5000人を超える規模の会社です。その中でも、創業から行っている広告事業が売上の過半数を占めております。手前味噌で恐縮ではございますが、広告代理店として、複数の主要メディアにおいて販売実績第1位を獲得しております。


もちろん、今回お話するダイレクトマーケティング以外に販促プロモーション、ブランドマーケティングについてもトータルでサポートしております。


株式会社CyberACEとCyberAgentの広告部門では何が異なるのかと申しますと、明確に異なる点は「オンライン・グロース」という考え方です。オンライングロースとは、テレビ会議やツールなどのオンライン・テクノロジーを駆使してお客様の事業成長に寄り添おうという弊社の方針を示した造語でございます。


我々はオンライン・グロースを好機だと捉えています。コロナの影響が出る前からzoomを駆使して会議を行い、RPAの活用、オンライン上でレポートを共有するダッシュボードの活用など、テクノロジーの力を使って作業工数を軽減し、お客様の成果を出すことに費やす時間を最大化しております。


私が100社以上の広告主の皆様、媒体社様と会議を繰り返す中で、最も大事だと感じたことは、「CDが重要」ということです。CDとは、クリエイティブとデータのことです。


AIが台頭したことにより自動化が非常に進んだ社会になってきています。安宅和人さんの著書『シン・ニホン』を引用しますと、「これらのメカニズム(データ×AIシステム)を入れると従来型のPDCAサイクルは半ば終焉するということだ」と書かれています。ここで私がお伝えしたいのは、ビジネスにおけるPDCAという言葉は手動でチューニングする意味合いが強いのですが、これからはAIやデータをどう活用していくかということが重要になっている、という点だと思っております。


では、広告の世界では何が起こっているのかと申しますと、まさに広告の領域で本当にAI化、自動化が進んでいると実感しております。例えば、ターゲティングです。誰に当てるかですがここにおいてもGoogle、Facebookでは自動化がかなり進んでいます。次に、入札調整です。誰にいくら払うかということもターゲティングに次いで重要なことですが、これもほとんどの媒体が自動入札にシフトしていると感じております。


より広告効果を狙っていく際に重要になるのが、まだ手動で残っている部分、つまりクリエイティブです。私はクリエイティブを磨くことが大切だと思っており、データをAIが学習していきますが、その精度を高めることが直近で大事なことだと考えております。

クリエイティブを活用!CyberACEの最新事例

1か月以内で皆様がすぐにチャレンジできそうな事例をお持ちしましたので、いくつかご紹介させてください。


クリエイティブとデータの2軸のうち、クリエイティブからご紹介いたします。クリエイティブの内容ではなくどのような形式なのか、どういった表現をしているのかにフォーカスしていきます。


形式、表現を考える上で各媒体がどのような特徴、傾向を持っているのかを知ることがまず重要だと考えております。さまざまな媒体をお取り扱いしておりますが、皆様が比較的ご利用されていると思われるFacebookをメインにお話させていただきます。

ケース1:「音楽なしでも楽しむことができるか」

ケース1のポイントは、「音楽なしでも楽しむことができるか」です。某商品メーカー様のミュージックビデオなのですが、下方にテロップを入れることで音楽が動画内にあることが伝わり、音声なしでも楽しむことができます。このように音声なしでも楽しい表現を使うことがポイントです。Instagramのストーリーでは音付きで聞いてる方も半数以上いるというデータがありますので、もちろん音も重要ですが目で見て伝わることがとても大事なのではないかと考えております。

ケース2:「とりあえず動画を入れる」

ケース2のポイントは、「文脈やストーリー性がなくても、とりあえず動画を入れよう」です。時間をかけてテレビCMのようなクオリティの動画や芸能人の方を起用したブランドコミュニケーションを図ったり、イメージ改善を目的とした動画広告も良いのですが、Facebookに関しては作り込まなくてもまずはとにかく動画を使用するだけでも効果に期待ができると考えております。


我々のグループで某コスメメーカー様のGIFアニメーションを作成しました。動いているかわからないくらいの動画なのですが、静止画と変わり映えがなくても動画は入れるべきだと思っております。


Facebookのグローバルデータでも、静止画と動画をミックスした動画の方が、パフォーマンスが良いという結果が出ておりますので、動画は最高のクオリティではなくてもできるだけ入れるのがおすすめです。

ケース3:「縦長の重要性は高まる」

ケース3のポイントは、「縦長の重要性は高まる」です。縦長というのはクリエイティブのサイズです。スマートフォンの縦長のサイズに合わせてクリエイティブを作るべきです。FacebookとInstagramは同時に出稿できるため、Facebookに出稿するとInstagramにも出稿できるのですが、Instagramを毎日使っているユーザーのうち、ストーリーを使っているのは7割と言われています。ストーリーの使用率は日々増加しています。そのため、ストーリーに表示されるクリエイティブサイズはできるだけ網羅しておくと良いでしょう。


LINEでも同様にディスカバリーという機能が直近追加されており、こちらにも縦型のサイズが追加されておりますので、縦型を上手に使用することが増々大切になってきていると考えております。


LINEの場合、動画では静止画よりも入札単価が高いというデータもあります。そのため、まず動画を始める前にカルーセルというフォーマットがありますので、こちらから始めるのもおすすめです。人材系の企業様の事例ですが、静止画対比で34.5%のCPAという数字を出しています。最初から動画ももちろん良いですが、カルーセルを行ってから動画を使うような流れが良いのではと考えております。


これはあるコスメ系商材行ったLINEのクリエイティブ参考データですが、25本ある広告の中、ある1本がクリエイティブのコンバージョンシェアで85.8%を獲得しております。1本の広告だけでこれだけ効果が変わりますので、クリエイティブが非常に重要であることを示す一例かと思います。


実はあまり知られていないのですが、「Facebook広告ライブラリ」と検索していただくと他社様の広告が見られるようになっております。他社様の事例を参考に学べますので、ご存知でない方はぜひ一度ご覧ください。


以降はDataについてです。

ケース4:「Googleアナリティクスを広告にも使う」

ケース4のポイントは、「Googleアナリティクスを広告にも使う」ことです。Googleアナリティクスは基本的な実装をされているお客様が多いのではと思うのですが、私がご提案した企業様の約半数がGoogle広告とより連携を深める余地がある十分と感じております。例えば、スマートリストというターゲティングがあります。Google広告のリターゲティングのみですとサイト内のエンゲージメントを読み取ることができません。Google広告単体では、ページをどれくらいまで閲覧しているのかや、セッションの継続時間などを加味した配信ができませんので、Googleアナリティクスとの連携による配信活用もおすすめしております。実際にスマートリストの活用により、通常のリターゲティングよりもCVRが向上した事例もございます。

ケース5:「最適化してデータは統合する」

ケース5は、「最適化してデータは統合しましょう」です。私は最適化するデータとは、自動配信における最適化の「種」であると表現しています。例えば「うまい水」という商品があったとします。男性が購入している傾向があるという機械学習をすると、男性に対しては入札を強化しようというアルゴリズムが働きます。本来は男性のほうが購入しやすい傾向だったのにも関わらず、ありがちな罠で、個人的、主観的に年齢で区切った方がコミュニケーションの細分化ができると考え、分断させるケースがあるかと思います。しかしこのケースですと最適化の母数が小さくなり、機械が適正判断できなくなり、男性に配信を出すことが十分にできず逆に効率も悪化し、獲得もとれないということが起き得ます。


もちろん分けた方が良い場合もあります。男性向けの化粧品、女性向けの化粧品と商材を分けているのであれば明確に分けた方が良いですが、迷った際にはデータの母数がどれくらいあるかに着目することが重要であると考えております。Facebookの公式ページが発表しているデータによりますと、一般的に継続的な配信を行うには1週間に約50件の最適化イベント、最適化するデータが必要ということです。弊社にももちろん知見はあるのでぜひお問い合わせいただければと(笑)

ケース6:「タグを制御する」

ケース6は、「タグを制御する」です。こちらも比較的に取り入れている企業様が少ない印象です。マイボイスコム様の調査で「インターネット広告を間違えてクリックしてしまったことがある」という質問に対し30~40%が「ある」と回答しています。皆様も誤クリックはご経験があると思います。タグの発火条件を変えていない場合は、誤クリックした方に対してもリターゲティングしてしまいます。効率化を図りたい場合は、例えばページの半分まで見たら発火するというような条件にすれば、より効率的に効果を上げることができます。配信母数が減るため拡大を希望されている場合はもちろん実施しなくても問題ございません。

ケース7:「アドバンスドマッチングの活用」

ケース7は、Facebookが推奨している「アドバンスドマッチング」という機能です。実際に弊社で配信実施した殆どのケースで、導入後からCVRが向上しています。


アドバンスドマッチングとは何かといいますと、例えばECサービスで購入をされる際にお客様は購入情報を入力すると思いますが、この情報をFacebookに受け渡しFacebookが保有するIDと紐づけることによって例えばクロスデバイスでもより精緻な配信が可能になります。当然、個人情報、プライバシーに配慮し、暗号化した情報をもとに精度を高めることができる機能です。


アドバンスドマッチングには自動詳細と手動詳細があり、もともと自動詳細を入れていたのですが、手動アドバンスドマッチングを追加したらCVRが向上したという事例もございます。各企業様にプライバシーポリシーがあるかと思いますが、まず自動詳細からでも十分に効果が期待できますので、こちらも導入をおすすめしております。


今回のまとめです。

クリエイティブは、まず媒体の傾向を知ろうということで媒体特化のケースを3つほどご紹介させていただきました。


データ活用には大きく分けて2軸あると考えております。

①    Facebook最適化の目安が50件というケースのように、最適化のポイントを増やすことにより、そもそもの「学習の量を増やしてあげる手法」

②    アドバンスドマッチングなどを活用する、誤クリックしたユーザーを除外させるなど、学習させるためのデータの「質を高めるという手法」

です。


本日ご紹介しましたのは、まだまだほんの一部の事例です。シナジーマーケティング様の『AD2』もアドレサブル広告、ファーストパーティーデータの活用をされており、データ活用の先進的な取り組みをされています。


弊社の事例でお伝えしますと、コンバージョンの類似拡張配信という機能がFacebookなどにありますが、これをLTV(ライフタイムバリュー)が高い方に限定し、そのLTVユーザーを種として類似拡張配信を行うとROASが実際に120%改善されたデータがございます。


LTVが高いユーザーは、オンラインでも購入しオフラインでも購入しているなど、媒体側でも情報が獲得できないケースが多いです。GoogleやFacebookなどでももちろん学習量を増やそうとしていますがまだ不完全な状態です。何が不完全かというと実は大切な情報が企業様のデータベースに眠っていることがほとんどです。こういった情報、例えば電話番号、アドレスと紐づけられれば媒体に返すことができます。媒体に『AD2』などを利用して、ハッシュ化したデータを活用することで安心安全を保ちながら、パフォーマンス改善ができるのでぜひ活用してみてください。。


例えば、Yahoo! JAPAN様で広告に接触し、お客様が実際にLPで購入したものの、インスタグラムでもリターゲティングされてしまうというケースがあります。これを防ぐためにはYahoo! JAPAN様でコンバージョンしたユーザーデータを『AD2』経由でFacebook、インスタグラムで除外設定が可能です。このように既に購入した方に対する商品の再訴求を避けることができます。


どのようなアカウント運用状況が理想状態であるのか、今日お話させていただいようなFacebookであれば50件コンバージョン集めた方が良いというような具体の実数ベースでのアカウント状況を診断するツールを最近弊社で作りましたので、ご興味ある方はぜひお問い合わせいただけますと幸いです。

株式会社CyberACE 久慈 秀斗
株式会社CyberACE 久慈 秀斗

2017年に株式会社CyberAgentに入社後、同年に子会社を設立し、その後取締役に就任。2019年に経営する子会社をCyberACEと経営統合し、現在CyberACEマーケティンググループのマネージャーを務める。

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